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電情日記

役に立つ電情日記3 “言語”の勉強法について

中静 真

今回,電情日記を担当する中静です.これで3回目の執筆となります.早いもので,千葉工業大学に着任してから4年目となります.

今年の夏に,津田沼で実行委員長(General chair)として,国際ワークショップSISA2015(2015 International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia)を開催することになりました.この会議は,電子情報通信学会の研究専門委員会の一つが開催する会議です.

目的は,アジアの学生をエンカレッジすることで,学生主体でポスター講演を中心にした学学会です.チュートリアル講演にはMatlabなどのツールと,Raspberry PieやArduinoなどのマイコン応用への活用についての企画を予定しております.チュートリアル講演は,千葉工業大学に協賛して頂くことになっておりますので,千葉工業大学の教職員なら誰でも参加できるように計画しています.この文章をお読みの千葉工業大学の学生,教員の方は是非,ご参加下さい.

さて,当たり前のことですが,この会議で使用される言語は英語となります.実行委員長として気が重いのは,開催の挨拶や司会などをすべて英語でやらなければならないということです.技術論文のための英作文や学会発表の経験はありますが,開会の挨拶などでは,どうでもよいこと(誰も聞いていないこと,無くても良いこと?)を,ながながと話さなければならないわけで,今から心配しているところです.私の英語能力に関する話しはひとまず置いといて,私が,それなりの分量の英文を読むようになったきっかけについてお話しましょう.

私が大学に入学した80年代初頭は,パソコンの黎明期で,限られた人たちだけがプログラミングをしたり,ゲームをしたりする目的で,自分用のコンピュータを買ったり,作ったりしていた時代です.私自身は,パーツから組み立てたマイコンにOSを移植したり,台湾製のIBM-PC互換機でゲームをして遊んだりしておりました.これらのソフトウェアの購入は,すべて海外から個人輸入していました.理由は単純で,送料込みでも海外のソフトウェアが日本で売られているソフトウェアよりも圧倒的に安かったからです.また,海外では汎用OSが普及しており,機種依存の無いソフトウェアも豊富にあったため自作のコンピュータで走らせることができるソフトもたくさんありました.当然,日本語マニュアルなど存在していないため,英文を読まないと何もできない状態でした.例えば,図に示しているのは,Spectrum Holobyte社 (買収されて,さらに,買収した会社もHasbro社 – トランスフォーマーのおもちゃ会社です. – に吸収されています.) のFalcon 2.0というF-16戦闘機シミュレータですが,このゲームには200ページあまりのマニュアルが付属しており,エンジンのかけ方から,航空力学の基礎,兵装・レーダーなどの基本技術に関する説明を読まないと,まともに遊べないソフトウェアでした.こんなゲームで遊んでいるうちに,英語が得意になったとは思いませんが,“英語に慣れた”ような気はします.

現在,ゲームに限って考えれば,Steamなどゲーム配信サービスを利用すれば低コストで膨大な量の英語コンテンツが手に入ります.ゲームではなくても,とにかく自分の好きなことを見つけて,その必要性から英語に触れ,英語に慣れることが一番だと思います.

もう一つ,学生生活で学ばなければならない言語は,“プログラミング言語”です.一つのプログラミング言語を勉強しようと思った場合,解説書を買ってきて,そこに書いてあるサンプルプログラムを,パソコン上で実行させてみて..と始まると思います.根気の続く方は成功するかもしれませんが,私は途中で飽きます.だいたいの場合,何かコンピュータで実行したいことを見つけて,そのプログラムを作るために解説書を調べるようにしていました.学生の頃は,別冊日経サイエンスの書籍「コンピュータレクリエーション」シリーズから面白そうな計算のネタを見つけては,プログラムを書いてみたりしていました.新しいプログラミング言語を学ぶときは,とりあえずライフゲームを書いてみることが私自身の定番だったりしたこともあります.(まずエディタを書いてみると話していた友人もいました.)

いずれにしても,使わないと学べないことは,使うことが一番ですし,そのためには,使う状況を自分から作ってみる工夫も必要だと思います.そもそも,単位を気にしながら,ノルマのように勉強しても楽しくないでしょう. 本文が,学生の皆様の勉学の一助になれば幸いです.

Falcon 2.0のコクピット

サイエンス別冊コンピュータレクリエーション

電情日記

どこどこ行くの

陶 良

これからちょうど半世紀前、インテル社創業者の一人であるGordon E. Moore氏がElectronics Magazineに”Cramming more components onto integrated circuits”という論文を発表した。この論文は、今でも半導体業界で集積回路(IC)を評価する重要な1つの目標値とされている「Mooreの法則」のきっかけであった。

図1 マイクロプロセッサの集積度推移とムーアの法則

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/00/Transistor_Count_and_Moore%27s_Law_-_2011.svg

図1の縦軸は1枚のICチップに埋められるトランジスタの数であり、図中の直線は、Mooreの法則を示している。チップの種類にもよるが、最新のデータでは100億程度に昇っている。この数値を伸ばすには、チップの半導体基板のサイズをもっと大きくするか、トランジスタ素子のサイズをもっと小さくする必要がある。前者は半導体基板の無欠陥製造技術に制限され、最近では技術的に約30cm直径に成功し、後者は最小加工寸法(プロセス)がボトルネックで、最近では単原子サイズレベル(約200pm)のトランジスタが報道されている。しかし現在使われているICの最大集積度は、単にこの最大基板サイズと最小トランジスタサイズの割り算になっているわけではない。その理由としてICの実用機能や配線はもちろんのこと、集積度がこれまで高くなると、分布定数回路、消費電力、発熱など問題の顕著化によって、ICの性能は必ずしも集積度に比例するではないと指摘され、特に実用IC生産上のコスト・パフォーマンスへの配慮も含め、集積回路はどこまで行くか、Mooreの法則はいつまで適用できるか、懸念が始めているようだ。

筆者は半導体の専門家ではなくこれ以上議論できないので話頭を転じる。

図2は昨年8月に出版された本で、9月から始まった授業の教科書として使用した。内容は集積回路の細胞とも言えるトランジスタを中心とし、基本電子回路の解析に重きを置いた。我々は当該科目を講義して長年積んだ経験をもとに、まさにこの授業のためにまとめたものである。学生諸君は授業の後にも少し読んでもらえば講義内容の理解が深められると自負していたところ、期末でクラス全体の成績を集計してみると、教科書付きの初年次として例年とほとんど変化はなかった。おそらく教科書なしの教え方から、誘導読書(?)にもっと工夫するなど、授業のやり方を調整する試行錯誤が必要のようだ。

図2 2014年8月出版した電子回路の教科書

書名にある「力が身につく」との文言を改めて読んで、約2週間前の卒業式での感触が思い浮かぶ。研究室では12名の学部生、2名の大学院生はその時期に卒業・修了したけれど、皆さんは在学中どれだけ成長したのか、社会に出たらどこまでやり遂げるのか、諸君にめでたく祝いながら、一抹の不安を感じていた。

さて、いよいよ新学期の始まり。過去の悔いを改め、笑顔で2015年度の花を咲かそう。

 

電情日記

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