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電情日記

地球環境 (バラスト水)

林 喬久

最近、いつも地球環境に興味を持つことが重要となってしまい、ついつい考えてしまうのです。

その中で、特に大きな船舶による大量の貨物の移動が各国間において多くなり、環境問題を引き起こす要因となっています。これら船舶の空荷状態における、船体の安定性及び推力を補うために、出港地の海水をタンクに取り入れ、到着地で捨てるバラスト水について問題となっているお話です。

この水中に微生物・植物の種が混入するため、その土地の環境で生育している生物の生態系を外来生物により乱す。 例えば、図に示すように多様な動植物を育む干潟を、短期間で草地に変えてしまうイネ科の外来植物“スパルティナ・アルテルニフロラ“ 北米東部などの原産が、日本の沿岸に繁殖する恐れが強まったとして、環境省はこの植物を6月にも特定外来生物に指定し根絶対策を強化する方針を固めた。と記載されていたことや、人の健康に影響を与えることなどによる環境破壊として問題視されているのですが、外来種の進入に無防備なのが現状です。

これらバラスト水は国境を越え各国へ移動することから、浄化装置を船舶に備え付けることを義務付けた条約が、国際海事機関において2004年バラスト水管理条約として採択された。その排出基準は、次のようになっている。

最小サイズ 10μm ~ 50μm 未満の生物は  10個/m l 未満

最小サイズ   50μm   以上の生物は  10個/m3 未満

病毒性コレラ菌(0-1 及び 0-139)は 1 cfu/100ml 未満か、1 cfu/1g 未満 (動物プランクトンのサンプル)

大腸菌   250 cfu/100ml  未満、   腸球菌 100 cfu/100ml   未満

以上を概略で表現すると、プランクトン類では大洋の真ん中の100分の1程度、 又、指標バクテリアでは夏の海水浴場に匹敵する奇麗さと言われている。

その後排出基準等において状況が整いつつ、未解決な問題は多々ありながら、2013年には加盟国37カ国あまり 批准していることから正式に承認されたが、2015年の発効を予想しているのが現状のようです。 この排出基準の発効を待っている間においても、確実に影響を及ぼし多いなる危機感を持つこととなります。

例えば、日本の場合国土交通省によると、2012年に主な港18ヶ所に持ち込まれたバラスト水は、推計830万トンであり、この量を考えると諸外国において主な港に持ち込まれるバラスト水は膨大な量となり、これからも持ち込まれるであろうバラスト水の処理をどのようにするのか考えることが重要となっております。

その処理方法として、最近次のような方法が紹介されている。

(1), 船舶の主機関の排熱を利用する処理装置で 約90℃の加熱チューブ内を24時間で20トンの海水を通過させる。

(2), 船上で生成できる放電を利用したオゾンマイクロバブルと、オゾンと反応して生成されたOHラジカルとオキシダントを用いる。

これら環境の悪化を重視した場合、無料の海水を使用しない方法を考える必要があります。安価で代替物質を考えるのは簡単ではないと思いますが、すでにこのような時期に来ているのではないでしょうか。各地方の水辺の環境を守るために・・・・・・。

参考文献

(1)  林原 仁志:静電気学会誌 Vol.37, No.6, p.250, (2013)

(2)  植木 修次:静電気学会誌 Vol.37, No.6, p.262, (2013)

電情日記

白と黒

野口 和夫

白と黒といえば、碁石を思い出す人もおられると思いますが白と黒の話です。光学系(光学装置)を製作するとき、場合によるとできれば光を全く反射しないような面がほしい場合があります。まず色彩について。ここ何十年も照明工学などという授業がないので、電気系の学生は色彩について勉強する機会はなくなりましたが、カラー写真、カラーテレビ等身の回りは色彩だらけであります。興味のある方は勉強してください。色には三つの属性があります。色相、彩度、明度です。で白と黒はこのうち明度のみを持ったものです。それで白と黒は色彩ではないという人もいますが! まずは白色について考えてみます。光測定器に積分球というものがあり、この内面に塗られている白色は硫酸バリュウムが代表的であります。これは見るからに真白で、すなわち光学的には反射率が非常に高いことを表しています。心理学的には膨張色のひとつです。(人の目には同じ白色に見える、太陽光とLEDの白色光はスペクトルに関してはかなり異なりますので、光計測に使用するときには注意してください。)

黒色は光の反射率が0すなわち光を吸収するものです。絵の具の三原色を混ぜ合わせれば黒を作成できます。ただ白色光源、白色LEDなどはあるが、黒色光源というのは存在しません。あれば面白いとは思いますが。また黒系はものの大きさが小さく見えます。碁石の黒石と白石は見た目は同じでも実際の大きさは異なるようです。

それでは可視域だけでなく紫外から近赤外まで反射率が0に近いものを製作する方法はどうすればよいでしょうか。その一つの方法が生け花に使用する密度の非常に高い剣山のようなものではどうだろうかということです。剣山のような表面に光が当たれば底まで到達して戻ってこないのではないかと考えるのです。このような考えで作成された一番反射率の低いものは、カーボンナノチューブ(CNT)を使用したもので反射率0.1%以下のものが作成されています。放射率も1に近くほぼ完全黒体と言っていいものです。CNTを使用する方法はそれなりに装置も必要ですので、手軽に作成することはできません。天文関係者からは反射率が5%以下、できれば1%以下の要望があり、そこで本研究室では別の簡単な方法で試作しました。直径10μmのカーボンファイバーを長さ数mmに切断する。2つの電極の底面にこのパイルを置き、これに電界を加えると上昇し、上の電極に到達する。写真はこのようにして作成したもので、それぞれ1,2,3mmの長さのものです。この反射率はおおよそ1%以下となっています。現在は0.5%位のものが作成できるようになりました。写真を見るとおおよそ剣山のようになっています。反射率に関しては十分なものであり、これから光学システムに広く応用されるように期待しているところです。またこのような原理で作成することを静電植毛といい、静電植毛はナイロンチュウブなどを材料としたものは日常いろんなところに使用されています。

 

電情日記

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