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電情日記

理科の初等教育

水津 光司

今年の1月の出来事です。個人攻撃になるといけませんので、一般論としてお話しをします。小学校では3年生になると理科が始まります。そこで教えられている内容の一例を紹介いたします。科学的な思考・表現を問う問題です。「太陽のかげのむきをしらべました」という内容で、「かげのむきが, 時間がたつにつれてかわるのは, なぜですか」という設問が設けられております。ある児童が「地球が回っているから」と回答したところ、不正解となったそうです。正解として「太陽が動くから」に訂正されております。この正解に対し憤慨した児童は「これでは天動説だ」と訴えたそうですが、「テストではこれが正解です」と、その訴えは退けられたそうです。

現行の小学校理科学習指導要領では、この時点で地球の自転や公転を取り扱っていませんので、純粋にテストという観点からすると「太陽が動く」ことが正解です。一方、科学的な思考という観点に立てば、太陽が動いているように見えるのは地球が回っているからであり、「地球が回っている」を正解にすべきとも思えます。ここで、小学校教員を叩くのは容易ですが、問題の本質は、小学校教員の資質では無く、システムの不備の様に感じます。小学校の先生方には文系の先生も多くおります。国立教育政策研究所と科学技術振興機構が、全国の公立小学校380校の協力を得て平成20年に実施した調査では、学級担任として理科を教える教員のうち、理科主任を務める教員の約40%、一般教員では約60%が、大学において理数以外の教育系の学科を卒業しているとの結果となっております(http://www.nier.go.jp/seika_kaihatsu/risu_1_2syou.pdf)。これら文系の先生方は、理科教育に非常にご苦労をされているだろうと推察されます。実際、また別の調査では、約50%の教員が、理科の指導を「苦手」「やや苦手」と感じているとの結果になっています(http://www.jst.go.jp/pr/announce/20081120/besshi.html)。理科専科教員や理科支援員という制度もありますが、行き届いているわけではありません。このような教育環境であると、理科嫌いになる児童も増えるでしょう。子供の頃に理科が嫌いになってしまったら、もう二度と挽回は出来ないと思います。中学・高校・大学と直結する問題です。理科離れもやむなしです。最終的なしわ寄せは、技術者不足という形で日本全体に影響を及ぼします。色々と考えさせられる出来事でした。

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