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電情日記

高電圧計測の国際標準化

脇本 隆之

こんにちは脇本です。この電情日記では毎回旅ネタを綴ってきましたが,今回は私の専門分野である高電圧のお話をいたしましょう。都会では日夜多くの電力が消費されています。この電力は何百キロも離れた発電所から送電線を介して私たちのもとに運ばれてきます。また送電電圧は電力損失を減らすために高電圧が用いられていて,その最高電圧は日本では50万ボルトと定められています。

この送電線や送電鉄塔およびその近接物に落雷するとき,送電線には本来の電圧の上に雷(らい)サージと呼ばれる過渡過電圧が重畳します。この雷サージのすべてが送電線を伝達し,その末端に接続された発電機,変圧器,電動機などの電力機器を直撃したならば,それらの機器は大きな損傷を受けてしまうことになります。それを防止するために電力系統には様々な雷害防止のための装置が用いられており,それらの装置がそれぞれ協調して落雷の被害を最小限に食い止める役割を担っています。それを絶縁協調と読んでいますが,電力機器の設計にはその絶縁協調の考え方に基づいた耐雷設計が行われます。また,電力機器を出荷する際にはその設計効果を検証するために,サージを模擬したインパルスを用いて耐電圧/電流試験を行ない,試験に合格した機器だけが出荷されます。

さて,この試験に用いられるインパルス測定システムは,より性能の高い上位測定システムで校正されていて,最終的には国家計測標準にまで校正の連鎖を遡ることができるシステムでなければなりません。写真はわが国の最上位に位置するインパルス高電圧計測標準を構成するインパルス電圧標準分圧器で,私の研究室が所有しています。この計測標準は,50万ボルトのインパルス電圧を0.4 %の測定の不確かさで測定可能です。この値は世界各国を比較してみても最高の値で,この性能を維持するために毎年性能試験を実施して,産業技術総合研究所が維持管理している直流電圧の国家標準に校正の連鎖が遡れることを確認しています。

インパルス電圧標準測定システムは,いま述べましたように,わが国の産業界の計測標準としてすでに運用されていますが,インパルス電流用測定システムは,私たちの研究室で開発している最中です。現在はその開発をほぼ終え,国内主要機関および海外国家標準機関との間で性能試験を行って,その性能が最高水準にあることを確認したところです。写真は,20万アンペアのインパルス電流を測定するための標準分流器ですが,この分流器を中心として構成されるインパルス電流計測標準がわが国の標準として運用される日もそう遠いことではありません。

インパルス高電圧計測標準分圧器

インパルス大電流計測標準分流器

電情日記

戦略的研究

脇田 和樹

今年度文部科学省の「私立大学戦略的研究基盤支援事業」に電気電子情報工学科教員11名によって申請したプロジェクトが採択されました。これは事業名通りですが私立大学に戦略的な研究基盤を形成し発展させること(これは学生の教育においても重要な役割を果たすことは言うまでもありませんが)を目的とし、プロジェクト予算の約半分を文部科学省が補助し、残りを大学が負担する制度です。

我々の採択されたプロジェクトの題目は「マイクロ領域/マクロ領域における複合的プローブ技術の開発に関する研究」です。このプロジェクトでは複数の計測法を融合させ、これまで単独で用いていた計測法では得られなかった情報を解析することにより、先端的な光・電子材料やデバイスの計測技術が飛躍的に発展することを狙っています。これまで各教員はそれぞれの専門領域で高い研究能力をもっているのですが、あまり共同研究を行ってきませんでした。本プロジェクトでは異なる研究領域の研究者が協力し合い新たな技術を生み出そうということです。実際、このようなプロジェクトのもと議論すると興味深いアイデアが次々と生まれてきています。

また、このプロジェクトの測定対象領域として、マイクロ領域(ミクロンメータ:μm = 10-6 m、ナノメータ:nm = 10-9 m 領域)とマクロ領域(センチメータ:cm = 10-2 m、ミリメータ:mm = 10-3 領域)に分かれた2つのテーマがあります。テーマの一つは「マイクロ領域での複合的プローブ技術を用いた計測法に関する研究」です。このテーマの中心的計測法は走査型プローブ顕微鏡(SPM)法です。これは尖端が尖った(最小半径数nm)針のようなプローブを用いて測定対象の表面形状や電位、電気容量、光などを測定する方法です。顕微鏡を用いた共焦点顕微システムも合わせ、複数の方法による融合技術を目指しています。また、SPM法ではプローブにMEMS(微細電子機械システム)技術も取り入れた研究を行います。

もう一方のテーマは「超音波およびテラヘルツ波による複合的非破壊検査の高精度化に関する研究」です。ここでは超音波による計測とテラヘルツ波による計測との融合を図ります。テラヘルツ波の周波数はマイクロ波と赤外線の間に位置し、歴史的には未開の領域でしたが、ここ約20年の期間にテラヘルツ波の研究は発展してきました。そのため、テラヘルツ波による計測方法は成熟しておらず、電波で用いられてきた計測解析技術を取り入れることによって計測技術が飛躍することを目指しています。

興味ある学生の皆さんは、千葉工業大学 電気電子情報工学科に来てください。一緒に研究しましょう。

電情日記

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