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電情日記

携帯電話の新しい技術

中林 寛暁

電気電子情報工学科の中林寛暁です.私の専門分野は無線通信ですが,無線通信では目に見えない電波を用いるため,体感しにくい数多くの技術が実用化され使用されています.今回は私の研究室で行っている研究の一つであるアダプティブアレーアンテナについて紹介したいと思います.

日々進化する携帯電話は,ニーズの高まりや多様化などにより情報のやり取りが急速な勢いで増加しています.そのため通信ネットワークをより強靭なものにしなければなりません.そのような技術の一つにMIMO(アンテナを送信,受信共に複数使用する技術)があり過去の電情日記で説明しました.そのMIMOでの伝送に空間分割多重という方式があります(図1).

図1 MIMOによる空間分割多重のイメージ

この方式は送信側のデータを複数の送信アンテナに分割して割り当て,同じ周波数の電波を用いて並列に送信します.通常,このように同じ周波数の電波で別々にデータを送ると電波が混ざり合って受信されてしまい,どのアンテナから送られたデータなのか,どんなデータだったのか,判別することができなくなってしまいます.しかし送信アンテナの位置は異なる位置から送信されたため,電波は異なるルートで到達するかもしれません.このルートの違いを利用して,空間的に電波を分離する時にアダプティブアレーが用いられます.アダプティブアレーによって送信側のどのアンテナから来た電波なのかを区別して受信します.

図2 電波の到来方向がアレーアンテナに与える影響

図3 アダプティブアレーアンテナの概要

ではアダプティブアレーは何故,異なる方向から来る電波を区別して受信することができるのでしょうか.図2に電波の到来方向がアレーアンテナに与える影響を示します.図のように異なる位置にアンテナを置いて受信すると,受信した波に位相差が生じます.これらの異なる位置で受けた波を足し合わせると,方向により電波は強くなったり弱くなったりします.

図3にアダプティブアレーの概要を示します.アダプティブアレーでは図2に示した波の合成原理を利用して,波の位相差を適応的に操り(ウエイト制御),必要な電波を受信する,または不要な電波を取り除きます.

実際の環境では,送受信機間には様々な障害物などが存在し,電波のルートは複雑で環境により様々です.環境に応じて良好に動作するのか,良好に動作させるためにはどのような工夫が必要かを見つけるのが私の研究室の研究課題になっています.携帯電話には皆さんが知らないような技術がたくさん詰まっているかもしれません.興味がある人がいれば本学にて一緒に取り組みましょう.

電情日記

芳賀裕先生を偲んで

清水 邦康

芳賀先生のご逝去を悼み, 謹んで御悔やみ申し上げます。4月下旬にご入院されてからのご急逝,本当に残念でなりません。私は2009年に本学に着任してから最初の3年間に芳賀先生の研究室でご一緒させて頂き, 大変お世話になりました。当時の思い出を記すことで私なりの追悼の意を表したいと考えます。

芳賀先生のご生前の各方面にわたるご活躍とその足跡は大きく,また数多くの教え子を育てられました。学生への愛情溢れる熱心なご指導は印象深く,着任間もなかった私は大いに刺激を頂きました。学生をご自身の居室に呼び, 研究を進める上でのお打ち合わせ, 講義内容に関する質疑へのご対応, 学校生活上での学生の悩み相談等で, 時に厳しく, 時にやさしくお話されていた様子が, 当時私の机が設置されていたすぐ隣の部屋にまで漏れ伝わってきた事を思い出します。

有機材料を主とした電子デバイスに関する研究をご専門とされていましたが, 実験室に設定された各種の計測システムの多くが, ものづくりがお好きだった先生ご自身の自作システムだとうれしそうにお話くださったことを昨日のように思い出します。また,私の研究テーマに関しては自由に取り組ませて頂き, さらには研究室紹介用のポスターにもその内容を組み込んで頂くなどのご配慮を賜りました。

千葉工業大学生え抜きの教員として長い間ご尽力されてこられた芳賀先生は, いつも本学に対する愛情をお持ちでした。今, 本学に先生がいらっしゃらないのは不思議で寂しいかぎりです。私は教育・研究活動を通じて先生のご恩に少しでも報いていければと考えます。ここに芳賀先生の安らかなお眠りを心よりお祈り申し上げます。

電情日記

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