• トップ
  • 教育内容
  • 教員紹介
  • 資格
  • 進路
  • 入試
  • JABEE
  • CITものづくり

電情日記

役に立つ電情日記1 -パスポートの盗難にあったら…

中静 真

今年4月に着任した中静です.電情日記は,初めての執筆です.新潟県長岡市出身で,新潟,東京,大阪を経て,津田沼にやって来ました.博士号を所得して以来,大学の教員を務め,信号処理に関する研究に従事して来ました.

信号とは,音声や画像など,有益な情報を含む関数や数列のことを指します.この信号を数学的に処理し,より価値の高い信号へ変換することを研究しております.詳しい研究内容については,近日公開予定の研究室ホームページをご覧ください.

さて,電情日記を見ると,電情の教員が,海外でアクティブに活躍されていることがわかると思います.研究をする上で,同じ分野の研究者が世界中から集まってくる会議に出席し,議論することは,情報発信と収集の点から,欠かせないものになっています.私も何度も海外に出かけましたが,今回は,めったに体験することの無い事件,パスポートの盗難にあった話をさせて頂きます.

 

昨年の9月にスペイン・バルセロナで信号処理の国際会議に参加しました.その際に財布とパスポートを入れたカバンを置引されました.バルセロナは,日本人相手のスリや置引がやたらに多いところで,地下鉄の中でスペイン語と日本語で注意のアナウンスが繰り返し流れているくらいです.

私が盗難にあった場所は,会場近くの大学の前のカフェで,翌日に発表を控えたお昼時でした.他の参加者とテーブルをはさんで話し込んでいるすきに,足元に置いたバッグを,後ろの壁越しに持っていかれました.以前から海外での盗難の話は聞いておりましたが,まさか自分の身に降りかかるとは思わず,かなり動揺しました.

その後,ホテルに戻り,フロントで警察署までの道順を尋ねて警察署へ行き,盗難届を作ってもらい,日本領事館まで歩いて出かけました.(領事館は,警察が発行する被害届の受領書が無いと動いてくれません.パスポートを盗まれたら,すぐに近くの警察署へ行きましょう.)

日本領事館なのだから,国旗が建物のどこかに飾ってあったり,日本語で”日本”の文字があったりするのではないかと期待して領事館を探したのですが,なかなか見つけられません.ようやく見つかった領事館は,何の変哲もないオフィスビルの中のオフィスの一つでした.ビルの入口には,スペイン語で日本領事館と書かれたラベルがあるだけで,国旗も日本語もありません.翌日,領事館で1時間ほど書類作成を待つことになりますが,その間にパスポートの盗難にあった日本人が3人訪ねてきました.日本政府と外務省は,もっと存在を主張しても良いのではと思います.

結局,その日は領事館が閉じた後でしたので,翌日に,用意してあったパスポートのコピー,顔写真(ホテルの近所のスーパーマーケットで撮影),身分証明書として運転免許証,書類発行用費用を用意して出直し,帰国用書類を作成してもらいました.午前中に手続きをすべて終えて,無事に発表を終えることができました.

 

この事件の教訓ですが,カバンなどの貴重品から目を離さないことは当然として,以下のものを用意して宿泊先に保管すれば少しは安心です.

1. パスポートのコピー, もしくはパスポート番号のメモ

2. 身分証明書 (運転免許証でも可,これがないと戸籍謄本を日本から自分で取り寄せるはめになる.)

3. 顔写真 (パスポートサイズで予備も含め2枚)

4. 予備のクレジットカード

5. 宿泊先から最も近い日本領事館の所在

こんな電情日記を書く間抜けな教員は私ぐらいでしょうが,これを読んでいる学生諸君には,海外に出かける時には,必ず万が一のための準備をすることをお勧めします.タイトルに”役に立つ電情日記”と書いてしまいましたが,この文章が皆様の役に立つ時が来ないことを祈りつつ,皆様の世界的な活躍を願っております.

電情日記

無線通信 事始め

長 敬三

今年4月に着任しましたので,今回初めての執筆です.こちらに来る前は企業の研究開発部門で,移動通信に用いられるアンテナの研究開発を一貫して行ってきました.通常企業では様々な業務を経験させるために職場を転々とすることも多いため,私のように24年間もずっとアンテナ研究開発一筋で過ごせる例は珍しいかもしれません.もちろん一つのアンテナをコツコツと24年研究開発してきたのではなく,基地局のアンテナ,端末のアンテナ,信号処理と融合したアンテナ等々,技術の進歩や環境の変化に合わせて内容は4,5年毎に変わっていますが.

無線技術の歴史を紐解いてみると,1864年のマックスウェルによる電磁波の存在の予言から,1888のヘルツによる電磁波の存在の実証,そして1897年にマルコーニによって無線電信が実用化(無線電信信号会社の創立)されるまでに33年しかたっていません.ヘルツによる電磁波の存在の実証からはなんと9年です.今でも技術開発のスピードが速く世の中についていけないと思うこの頃ですが,当時も目まぐるしく技術が進歩していたのだと改めて思います.
日本は無線通信技術に関してこれまで世界に先駆けて技術開発を進めてきました.無線技術を用いた情報通信が戦闘において重要であることを世界に示したのは,日露戦争における日本海海戦での日本海軍であることが知られています.これはマルコーニによる無線電信公開実験の成功を受け,日本国内で1897年から独自に無線電信機の開発を進め,日露戦争に間に合うように1904年中に開発を終えるとともに,海軍の全艦船に無線電信機が配備したことが勝因といわれています.

また日本で開発された世界に誇るアンテナとして,八木・宇田アンテナが1926年に発明され1928年に論文が出されています.このアンテナは東北帝国大学の八木秀次先生および宇田新太郎先生によって発明されたもので,今ではテレビ放送受信用アンテナとして我々にもおなじみのアンテナです.このアンテナは簡単な構造で高い利得を実現できる画期的なアンテナで,欧米諸国ではいち早くこの八木・宇田アンテナに着目し,これをレーダに使用することによって性能を飛躍的に向上させて,第二次世界大戦では逆に日本軍がこのアンテナの性能によって大打撃を与えられることとなりました.広島や長崎に投下された原子爆弾にも八木・宇田アンテナが使われていたことも有名です.現在においてもこれほど汎用性が高く、抜群の精度を誇るアンテナは開発されていないと言われており,IEEE(米国電気電子学会)からも歴史的偉業として認定されています.

八木・宇田アンテナを発明した八木先生は,かつて千葉工業大学(当時興亜工業大学)の創設にあたり顧問として尽力されており,アンテナの研究開発をするものとして御縁を感じるとともに気が引き締まる思いです.昨今日本の通信産業に元気がないですが,日本の有する無線通信技術は現時点でも世界の最先端です.これからさらに技術を先導していけるよう,千葉工業大学に入学した皆さんと頑張っていきたいと思います.日本の移動通信技術が如何に世界を先導してきたかについては,また次の機会にお話したいと思います.

「東北大学電気通信研究所提供」
八木・宇田アンテナを使用したUHF帯の送受信機
(東北大学 電気通信研究所HPより:http://www.riec.tohoku.ac.jp/syoukai/antenna.shtml

 


「東北大学電気通信研究所提供」
八木・宇田アンテナの研究に対するIEEEの記念碑
(東北大学 電気通信研究所HPより:http://www.riec.tohoku.ac.jp/syoukai/antenna.shtml

電情日記

2012年12月
« 11月   1月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

このページのトップに戻る