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電情日記

着任のご挨拶と放電プラズマの紹介

小田 昭紀

新年明けましておめでとうございます。電情の小田です。昨年4月に本学に着任しました。初めての電情日記となりますので、今回は自分の研究分野の紹介をさせていただきたいと思います。

さて、皆さんは「プラズマ」をご存じでしょうか? こう質問しますと、ほとんどの方は「名前くらいは聞いたことがある」と答えます。最近では、家電量販店や、講義室や食堂、本学内の建物の入口などに設置されている”プラズマテレビ”が普及してきたこともあり、「プラズマ」という言葉がより一層認知されてきました。

私は、放電現象を通じて作られる「プラズマ」(放電プラズマ)を研究対象に、プラズマの中に存在する電子やイオン、気体原子・分子の振る舞いを計算機シミュレーションにより明らかにしながら、今あるプラズマ応用に対して更に性能をよくするためにはどうすればよいか、こんなプラズマで新しい応用ができないか、などについて研究をしています。

一般的に、この「プラズマ」は、物質の3態と呼ばれる固体、液体、気体に続く、物質の第4状態と呼ばれています。これは、気体原子・分子に対してエネルギーが投入されることで気体原子・分子のいくらかが電子と正イオンに分かれる(これを電離といいます)ことで、同数の電子と正イオンが混じった気体(電離気体)を表します。そして、この「プラズマ」は、宇宙までをも含めた自然発生的なもの(太陽フレア、雷、オーロラなど)から人工的に生成したもの(皆さんの生活をよりよくするために利用する)まで非常に多岐にわたって存在しており、「全ての物質の99.9%はプラズマでできている」とまで言われています。

実は、この「プラズマ」は、気体中に存在する電子・イオンの存在する割合(程度)や気体や電子・イオンの温度の程度で区別されており、私が研究対象としている「プラズマ」は、厳密に書きますと「弱電離非平衡プラズマ」となります。このプラズマのもつ特徴やこのプラズマを利用した工学的応用(応用技術)を以下にまとめます。

このように「弱電離非平衡プラズマ」は、電子、イオン、気体原子・分子の平均的な温度は室温程度(気体原子・分子に対する電子・イオンの割合が非常に低い…”弱電離”であるため)と低温でありながら、プラズマ中の電子の温度のみが圧倒的に高温であるという”熱的に非平衡”な状態をもちます。よって、放電を通じて生成されたこのプラズマ中の高温な電子をうまく生成・制御・利用することで、半導体プロセス技術に代表される「微細加工」、アモルファスシリコン膜(太陽電池で利用)やダイヤモンドライクカーボン膜(機械摺動部品やペットボトルなどで利用)などに代表される「成膜技術」、蛍光灯やプラズマテレビなどに代表される「照明・光源」など、放電プラズマ「弱電離非平衡プラズマ)は幅広く利用されています。

最近では、大気圧環境下で生成されたプラズマ(大気圧プラズマと呼ばれます)を利用したプロセシング技術・開発に関する研究が盛んになっています。例えば、大気圧プラズマを怪我をした皮膚へ照射することで怪我の治りを早める研究…そのようなプラズマと医療とを結んだ「プラズマ医療」という新しいプラズマ分野もアメリカやドイツを中心に生まれてきています。

今回の電情日記では、私の研究分野である「プラズマ」に関して、その特徴から応用までを可能な限り平易に紹介させていただきました。今回の紹介から、少しでも「プラズマ」に対してより身近に感じてもらえれば嬉しいです。次回担当時には、「プラズマ応用技術」のトピックを紹介したいと思います。

電情日記

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