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電情日記

卒業研究発表会にて日本語って難しい

相知 政司

2月18日(金)に,私(相知)が所属する電気コースの卒業研究発表会がありました。学生達は,4年生の一年間に行った卒業研究の内容をパソコンと液晶プロジェクタを用いて,短い時間で的確に分かりやすく説明しなければなりません。しかし,これが難しいのです。まず,1年間研究した内容を短くすることが大変です。何を削除して,何を残すのか,取捨選択が問題です。せっかく苦労した卒業研究なので,全て説明したいと思いますが,発表時間は限られています。泣く泣く,削って削って発表時間内に収まるように努力します。

次に,説明内容ですが,これも4月の最初の頃は,専門用語もあまり分からなかったかもしれませんが,指導教員の厳しい指導もあり,さらに自分自身で勉強して多くの本や論文や資料を読んで勉強して,かなり専門的な言葉で研究内容を説明することが可能となりました。しかし,発表を聞いている側にも学生はいます。卒業研究の専門用語は,同じ学科の学生にも難しいものです。

そこで,専門用語を他の平易な言葉で言い換えるのですが,これがもっとも難しいのです。難しいことを難しい言葉で説明するのは簡単だが,難しいことを平易な言葉で説明するのは難しいと言われています。


卒業論文発表会の様子

さて,以前,高専の国語の先生に「電気分野の専門用語は,一般的(日常的)な言葉と比較して,使い方が異なる場合がある」と言われて,私は何のことだかさっぱり分かりませんでした。例えば,電気回路に出てくる「交流」という言葉だそうです。一般的(日常的)な言葉としての使用例は,「人事交流」,「国際交流」,「学術交流」,「交流広場」などです。ここで使用されている「交流」は人や物がお互いに行き来したりする意味だと思います。「交流」に「する」を付けて,「人事交流する」,「国際交流する」,「学術交流する」,「交流する広場」としても意味が通じます。

しかし,「交流回路」となると,複数の回路がお互いに交流(行き来)しているのではありません。しかも,「交流する回路」となれば,まったく意味が分かりません。まさか,下記のようなことは無いと思います。


回路A男:ねー,回路B子さん,今度,交流しませんか?
回路B子:うん,分かった。うちの抵抗君が,そっちに遊びに行くね。
回路A男:そうか,じゃー,うちのコイルちゃんがそっちに遊びにいくから,これで,相互に交流だ。何して遊ぼうか?

しかし,回路B子さんちの「抵抗君」は,そんなの聞いてないよ。何で僕なの,僕行きたくないと「抵抗」するわけです。電気回路の「抵抗」も一般的(日常的)な意味とは異なる使われ方ですね。

実際には,「交流回路」とは交流の電流が流れている回路,もしくは交流の電圧が印加されている回路のことです。ここでの交流は,大きさと方向が時刻とともに変化することを意味しています。多くの場合,回路に正弦(サイン,sin)波状の電圧源が接続されて,正弦波状の電流が流れています。以下に,代表的な交流波形を示します。すべて交流波形です。

回路にまつわる言葉について有名なものだと,「アポロ13」という映画で日本語訳が間違っていることがありました。回路はopen(開く,開放)で電流が切れ,close(閉じる,短絡)で電流が流れます。しかし,映画の中では逆に翻訳されていたそうです。

さてさて,大学で行われている多くの専門の授業は,日本語の本を用いて日本語の会話で行われています。大学で理系を勉強したいと思っている中学生や高校生は,まず,日本語を勉強して下さい。社会に出てからも会社では,打ち合わせ,議事録,設計図,工程表,取扱説明書など日本語能力が問われます。次に,数学と英語が大切です。そして,理科や社会も大切です。大学で勉強したことを社会に役立てないと意味がありません。社会との接点が何もない理系の教科や理系の仕事など無いはずです。

このように書くと説教みたいになりますが,私自身,中学と高校でもっと勉強しておけばよかった,そして大学で更に勉強をしておけば,もっと社会に役立つ人間になれただろうと,毎日後悔の連続です。

この電情日記を読んでいる若い皆さんが一生懸命勉強して,千葉工大に入学して下さることを願っております。そして,世界で活躍できる人に育ってくれることを切に願います。

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