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電情日記

エンジニアの工夫:背に腹が代えられなくてはじめて工夫する?

西田 保幸

エンジニアは「工夫」の秀才でありたいものです。今日の電情日記では、これまで私がエンジニアになりたくて色々と工夫してきたなかで、(お金が無くて)背に腹は代えられずにやった工夫の一つ「英語無銭実習法 in Zurich」を紹介します。32歳の頃でしたか、スイスにある会社(ABB Drives)に二ヶ月滞在しました。その当時は英語がちゃんとはできませんでしたので毎日冷や汗をかいていましたが、2~3週間もすると結構慣れてきました。現地の知人・友人が居ない私は週末は暇でしたので、土曜日には電車で30分位で行けるZurich(スイス最大の国際都市)に出かけていって、次のようにタダで楽しく思い出深い英語の実践練習をしました。

中央駅前の通り(Bahnhof Straße:写真参照)には沢山の高級品店が並んでいますが、美人で上品そうな店員さんが多いです。彼女らはもちろん英語が堪能で、ちゃんとスーツを着て行きさえすれば30分、いや1時間でも相手をしてくれます。何も買わずにかなりの回数をこなしました(無銭で美人の先生に英語のレッスンをしてもらいました)。何も買わなくても、「旦那様、今日は折角お越し頂いたのにお気に召す商品がなくてもうしわかございませんでした。これに懲りずにまたご来店ください。」と出口まで送ってくれます。お店でねばるにはそれだけのネタを用意するという「工夫」が必要ですが、お店と店員さんを決めてからお店に入る前に(真実味があって不意のストリー展開にも対応可能な/一部本当の、かつ、その店員さんの担当の商品に関連した)ネタを仕込むのが私のやり方でした。確かグッチだったと思います。「姉にお土産にスカーフを買って帰りたい」(「彼女に...」では真実味がなかったので)のネタで無銭英語レッスンに挑みましたが、先生が凄すぎました。先生曰く「そうね、あなたのお姉さんならあなたと同じで、目はブラウンでしょ。髪は黒ね!」⇒生徒:「Sure!」⇒先生:「じゃ、これなんかどう?!」と10枚くらい出してきました。どれも¥?万しますから絶対に買ってはいけませんが、英語のレッスンですから粘らねばなりません。いろいろと注文を付けながらねばっていましたら、先生はとうとう机の上のもの一切をどけて同僚を連れてきて二人で30枚くらい出してきて「これでどうだ! まだ買わないとでも言うのか!」と言わんばかりの迫力です。それに負けて買ってしまいました。同僚もなかなかの美人さんでしたので、出費額は相当でしたが、楽しい思い出となりました。以後、英語でまくし立てられても結構対応できるようになりました。この特訓の成果か?、相手が美人になればなるほど私はスムーズに英語が喋れることを後年認識しました。

このハプニングは「買ってしまった(授業料を払わされた)英語修業」としてだけでなく、「衣服のコーディネートは瞳の色・髪の色から入るんだ。ふ~ん、なるほどね!」と思った事でも印象強く記憶しています。欧州人や日本人でもオシャレな人には当たり前でしょうが、(少なくともあの当時の)私には「驚き」であり、「新鮮」でした。今日の話題は電気からそれましたが、こんな体験をした土曜日がありました一方、月曜~金曜には滞在先企業で電気エンジニアとしての「新鮮な驚き」にも沢山恵まれました。「技術にも文化背景があるの!」を実感する日々でもありました。それについては次回紹介しましょう!

電情日記

電波を使わない無線通信って?

陶 良

こんにちは。超音波計測を研究している陶です。連休明け早々、「超音波 知りたいことを 測り出す」、「Yes I can!」に引き続き、この電情日記の3順目の執筆となりました。今回は、「計測」と言うキーワードから少々はみ出して、近年研究室で始まった一つの面白そうなテーマ、「水中無線通信」に関して話したいと思います。

無線通信と言えば、皆さんはすぐに携帯電話のことを思いつくでしょう。電気通信事業者協会の統計によりますと、今年3月までに携帯電話・PHSの合計契約数が1億1,600万台に昇ってきました。勿論、契約数だけではなく、技術の進歩に伴い、サービスの内容も数年前よりとことん増えています。実は「線を使わない情報伝達」を広い意味で言えば、ワイヤレスインターネット、ラジオ、テレビだけでなく、スイカ、タスポ、IC旅券なども無線通信に網羅されます。応用によって技術的にも色々と特徴が違いますが、これらに共通することが一つあります。それは「電波」に情報を載せることです。電波が1秒30万kmの速さで飛べることは、通信にとってさすがに他にない強みです。

さて、海の中でどうなるか、皆さんは考えたことがありますでしょうか?空気中で生きている我々に対して、確かに水中での通信はそれほど使い道が多くないと思われるかもしれませんが、ダイバー同士間や海底探査ロボットと母船間を無線で通信できれば便利ですね。しかし水中ですと電波はものすごく激しく減衰してしまうという問題があります。その代わりに、前2回の日記中にも述べましたように、超音波は利用媒質の多様性と言う特徴があり、電波より水中無線通信に適していると注目されています。例えば10kHzの電波なら水中で約1mしか届きませんが、同じ周波数の超音波ならば10kmまでも送受信できます。電波に比べて超音波の伝搬速度が遅いのはどうしようもない欠点ですけれども、長距離リアルタイムの通信でなければ使えるでしょう。

ところで、物理的に機械的振動波である超音波は、水中をよく伝搬するメリットの反面、その伝搬径路は水中の不均一さに左右されるため、屈折、散乱が多くなり、マルチパスからの信号が干渉しあい、受信信号が乱れてしまうという問題があります。この問題を克服するために、近年水中音響工学の分野で「時間反転波」に関する研究が盛んになってきました。時間反転波の特徴とは、外乱の影響を受けた受信信号を、時間軸反転させ、この時間軸の反転された信号を受信側から再送信すると、その外乱の影響が打ち消され、送信側にきれいな信号が受けられます。つまり、初期設定によって、デジタル情報素子である「0」と「1」の組み合わせを載せた信号を、一度送受信を行い、それぞれの受信信号を時間反転させ、新たな情報素子として用意し、通信する際にこれら時間反転された情報素子を組み合わせて送信すると、きれいなデジタル信号が受信できると言うことです。研究室では水槽を用いて検証実験を行っています。水槽には外乱として通信路上にわざとランダム配置した釘を設置しています。図に示すように、時間反転波を使わない場合では受信信号の分散が大きくなるのに対して、時間反転波を利用すれば受信信号が比較的にまとまっていることが見受けられます。時間反転波を利用した場合の通信の誤り率は、そうでない場合より1/30程度まで減少されている結果が得られました。

問題を調べて探る、アイディアを試して実る、それは工学。

電情日記

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