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電情日記

赴任のご挨拶と私のパワーエレクトロニクス

西田 保幸

電情の西田です。今年の4月に千葉工大に赴任してきました。専門はパワーエレクトロニクスで、3年生・後期の授業「パワーエレクトロニクス」とその後続授業の「制御エレクトロニクス」(4年生・前期)などを担当しています。今回は最初の電情日記ですから私の研究について紹介します。

「パワーエレクトロニクス」(Power Electronics:以下、PEと略記)とは、スイッチング用の半導体素子(「パワーデバイス」と呼ばれ、パワートランジスタやIGBTなどがあります)を高速にオン・オフ動作(スイッチング動作)させながら電力を変換する装置・機器についての技術分野の呼び名です。「静止形電力変換」や「半導体電力変換」といった呼び名もあります。電力変換技術そのものとその応用分野としてのモータドライブ(電動機駆動)技術も含まれます。この種の技術では、パワーデバイスの高速オン・オフ動作(速いものでは数10[ns]でスイッチング動作を終えます)を駆使して電圧や電流を切り刻みつつフィルタリングしながら望みの滑らかな波形を高効率に得るところがミソになっていますが、その代表的手法がPWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれるスイッチング法(切り刻み法)で、これまでに色々な切り刻み法が開発されています。図1はPWMインバータ(研究用試作品)の例です。

私は24歳の頃からPE関係の研究開発・教育分野に居て各種の電力変換装置(整流器,DC-DCコンバータ,インバータ)に携って来ましたが、特に整流器(三相整流器)が専門で、さほど長くないPEの歴史(60年程度?)の中で50年の歴史がある3相パッシブPFC整流器という特殊な整流器の分野が専門中の専門です。 この整流器ではPWMを全く用いない点に特徴(強みも弱みも)あります。PWMとパッシブの強みの両取りを狙ってやっているのが“Hybrid PFC”で、図2はその回路構成と波形の例です。綺麗な正弦波(入力線電流)が描けているでしょう!この種の整流器が次世代旅客機で採用され始めていますが、我が国に航空機産業が根付いていないのが残念です。

養ったPE技術を基に最近話題のEV(電気自動車)にも取り組みながら卒研生らとPE技術の実践(ものづくり)を楽しんでいます。図3は千葉工大赴任前の大学で製作したコンバートEV(ガソリン車を改造して造る電気自動車)です。構想・調査・仕様決定・部品発注・製作・試運転に学生3名が2年を費やしました。その間、私は費用の心配や保管・作業場所の大学との交渉程度しか参加していません。師弟同行に反しますが、学生が育ついい方法でした。続きを千葉工大でやろうと計画しています。クールなコンバートEVを製作して時々銀座に買い物に行くのが当面の夢です。ボディーには千葉工大のロゴを付けておきますから、「いずれ津田沼にTV局が取材に来るかも?」ですね。その為にも「1充電で津田沼から余裕で銀座往復」の仕様実現を目指します。

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