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電情日記

Demo or Death

飯田 一博

電情日記も3巡目になりました.空間音響を研究している飯田です.今回は,研究や教育におけるデモンストレーションの重要性について考えてみたいと思います.

私は,この11月11日から13日まで,宮城蔵王で開催された「空間音響の原理と応用に関する国際ワークショップ(International Workshop on the Principles and Applications of Spatial Hearing)」に研究室の2人の大学院生とともに参加し,招待講演1件とデモ発表2件を行いました.デモの内容は,「ヘッドホンを用いた3次元聴覚ディスプレイ」と「2つのスピーカを用いた3次元音像制御」です.いずれも,ヘッドホンもしくは2つのスピーカで立体音響を聴くことができるシステムです(詳細は私の研究室のウェブサイトをご覧ください http://www.binaural-lab.com/).

国内開催とはいえ,国際ワークショップですので発表は全て英語です.参加者は約90名で,海外からは25名の研究者が参加しました.以下の写真は,われわれの2つのデモの様子です.デモセッションは夕食の後,夜8時に開始して深夜12時まで続きました.デモの希望者が後を絶たずたいへんな盛況で,あっという間に4時間経っていました(写真3をよく見ると,デモを聴いているインド系研究者は浴衣を着ているのがわかりますが,われわれは着替える時間もありませんでした).

デモを行うことにより,われわれの研究によって世界で初めて実現した点や,今後さらに研究を進めなければならない点などを直観的に理解してもらえ,多くの賞賛と激励を受けました(実は,デモの2時間前までソフトウェアの改良を行っていて,本番は冷や冷やだったのですが…).音響学の世界では,「百聞は一見に如かず」をもじって,「百見は一聴に如かず」と言いますが,まさにそれを実感したデモセッションでした.


写真1.
3次元聴覚ディスプレイのデモをする大学院生

写真2.
デモコーナーには人だかりができました

写真3.
2スピーカによる3次元音像制御のデモをする大学院生

ところで,タイトルの“Demo or Death”は,米国マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のメディアラボのキャッチフレーズです.これは,この研究所では,研究の意義や重要性,成果をデモによって五感に訴える説明ができなければ,その研究は中止に追い込まれること(Death)を意味しています.良い意味でも悪い意味でも米国らしい価値観です.

私は,メディアラボのようなデモ偏重主義者ではありませんが(数学や哲学のようにデモが難しい重要な学問もある),研究が目指すものや研究成果,あるいはその応用先をわかりやすく伝えることは研究者の義務の1つだと思います.また,デモをすることにより,研究者自身がその研究の完成度や課題を体感することができます.実は,このことがデモのいちばんの効果ではないかなと私は思っています.

学会発表だけでなく,大学での授業やオープンキャンパスなどでも,私はできるだけ多くのデモを取り入れたプレゼンテーションをしています.学外の皆様も,ぜひデモを体験しに来てください.研究成果を応用した楽しいデモを用意していますので.

電情日記

赴任のご挨拶と私のパワーエレクトロニクス

西田 保幸

電情の西田です。今年の4月に千葉工大に赴任してきました。専門はパワーエレクトロニクスで、3年生・後期の授業「パワーエレクトロニクス」とその後続授業の「制御エレクトロニクス」(4年生・前期)などを担当しています。今回は最初の電情日記ですから私の研究について紹介します。

「パワーエレクトロニクス」(Power Electronics:以下、PEと略記)とは、スイッチング用の半導体素子(「パワーデバイス」と呼ばれ、パワートランジスタやIGBTなどがあります)を高速にオン・オフ動作(スイッチング動作)させながら電力を変換する装置・機器についての技術分野の呼び名です。「静止形電力変換」や「半導体電力変換」といった呼び名もあります。電力変換技術そのものとその応用分野としてのモータドライブ(電動機駆動)技術も含まれます。この種の技術では、パワーデバイスの高速オン・オフ動作(速いものでは数10[ns]でスイッチング動作を終えます)を駆使して電圧や電流を切り刻みつつフィルタリングしながら望みの滑らかな波形を高効率に得るところがミソになっていますが、その代表的手法がPWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれるスイッチング法(切り刻み法)で、これまでに色々な切り刻み法が開発されています。図1はPWMインバータ(研究用試作品)の例です。

私は24歳の頃からPE関係の研究開発・教育分野に居て各種の電力変換装置(整流器,DC-DCコンバータ,インバータ)に携って来ましたが、特に整流器(三相整流器)が専門で、さほど長くないPEの歴史(60年程度?)の中で50年の歴史がある3相パッシブPFC整流器という特殊な整流器の分野が専門中の専門です。 この整流器ではPWMを全く用いない点に特徴(強みも弱みも)あります。PWMとパッシブの強みの両取りを狙ってやっているのが“Hybrid PFC”で、図2はその回路構成と波形の例です。綺麗な正弦波(入力線電流)が描けているでしょう!この種の整流器が次世代旅客機で採用され始めていますが、我が国に航空機産業が根付いていないのが残念です。

養ったPE技術を基に最近話題のEV(電気自動車)にも取り組みながら卒研生らとPE技術の実践(ものづくり)を楽しんでいます。図3は千葉工大赴任前の大学で製作したコンバートEV(ガソリン車を改造して造る電気自動車)です。構想・調査・仕様決定・部品発注・製作・試運転に学生3名が2年を費やしました。その間、私は費用の心配や保管・作業場所の大学との交渉程度しか参加していません。師弟同行に反しますが、学生が育ついい方法でした。続きを千葉工大でやろうと計画しています。クールなコンバートEVを製作して時々銀座に買い物に行くのが当面の夢です。ボディーには千葉工大のロゴを付けておきますから、「いずれ津田沼にTV局が取材に来るかも?」ですね。その為にも「1充電で津田沼から余裕で銀座往復」の仕様実現を目指します。

電情日記

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