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電情日記

オーストラリアにて…

関 弘和

電気電子情報工学科の関です。今日は今年2月にオーストラリアで開かれた国際会議に出張したときのお話をしたいと思います。

今回は写真にありますように,私の研究室の大学院修士課程の学生が,ファジィ制御による電動アシスト車椅子の操作性向上に関する研究について英語で発表しました。英語で発表するのはなかなか大変なことではありますが,研究室で何度も練習をしていき,立派な発表ができたのではと思っています。

無事に会議終了!と,そこまでは良かったのですが,メルボルンからブリスベンに飛行機で移動した際にハプニングが起きたのです。ブリスベンに到着し,手荷物引渡場で預けたスーツケースが出てくるのを待っていました。しかし…,待てども待てども二人のスーツケースは出てきません。一応カウンターに行ってみましたが,結局,行方を調査してもらうことになり,泊まるホテルを伝え,ブリスベンの街に入りました。所持しているのは小さなカバンだけで,下着も,部屋着も,歯ブラシも,何もありません…。この日はホテルのバスローブを着て就寝となりました。

結局,スーツケースは,帰国寸前になんとか空港で無事受け取ることができました。帰国後に戻ってくることも覚悟していましたが,ほっとしました。ちょうどブリスベンに着いた日に空港でストライキのようなことがあったようなので,それが原因だったのかもしれません。

このようなハプニングはよくあることかもしれませんが,そのようなことに異国の地で遭遇しても冷静に対応すること,そしてそのための英語力,会話力が必要なんだなとあらためて感じました。

この電情日記をご覧の皆さんも将来,海外に観光や仕事で出かけることがあるかと思います。私は海外に出かけるたびに次のようなことをよく感じます。日本に来ている外国人を見て,その人の発言や振る舞いによってその国のイメージを抱くのであれば,逆に,我々日本人が海外に行ったときにとる行動や発言によって,海外における日本のイメージが形成されていくはずです。何も政治や経済に限ったことではなく,我々一人一人が何気なく行う行動や発言が国のイメージそのものを変える可能性があるのではないか。ですから,特に海外に出かけるときには,「自分は日本を代表してこの国に来ている!」という意識を心のどこかに持ち,恥ずかしい行動はしない,そして堂々と物怖じせず振舞い,その旅行を十分に楽しむ,ということが大事ではないかと考えています。少し大げさかもしれませんが…。

電情日記

コンピュータゲームとAI(人工知能)

今野 将

私の研究室では「応用知能システム」に関して研究を行っています.応用知能システム,英語で標記するとApplied Artificial Intelligent Systemsとなります.つまり,人工知能技術を応用したシステムを研究・開発していこうというものです.今回の電情日記では,社会における人工知能技術の応用例の一つであるコンピュータゲームとAIについて話したいと思います.

人工知能技術の社会における応用例は数え切れないほどあります.普段我々が使っている機器の中にも(知能の程度の差はあれ)様々な人工知能技術が応用されています.その数ある応用例のなかで,(私が推定している,この電情日記の読者層に)もっとも馴染みがあるのはコンピュータゲームにおけるAIではないでしょうか.例えば,将棋の対戦相手や,RPGにおける仲間やNPC(Non Player Character)など,コンピュータゲームでは様々なところでAIという言葉が使われています.コンピュータゲームにおけるAIは近年ゲームAIという名で注目されており,関連する書籍も発売されています(図).これらゲームAIは学術的には厳密にはAIと呼べないものもありますが, 財団法人デジタルコンテンツ協会 がまとめた デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究報告書 によれば,ゲームAIとは,ユーザに対して「そこに知性を感じさせる存在」ということになるそうです.

基本的にゲームAIはユーザの対戦相手だったり,ユーザの仲間だったり,ユーザを導く存在(NPC)だったりするのが通例でした.そのため,AIとしての知識はコンピュータゲーム内部に数パターン設定されていて,状況に応じてユーザが切り替えたりするものでした.つまり,ユーザは対戦相手や仲間としてAIの存在を感じていたことになります.これは,ゲーム開始当初はいいのですが,ある程度ゲームが進展していったり,ユーザが慣れたりすると,少なからず不満がでるものでした.

これに対して,非常に画期的な発想でAIを応用したゲームが,株式会社スクウェア・エニックスのファイナルファンタジーXII(FF XII)でしょう.通常のRPGゲームでは,ユーザはゲーム内に用意された数パターンの知識の組み合わせのなかからしか行動を選択できないのに対して,FF XIIでは知識そのものをプログラミングしてキャラクターの行動に反映させることができるのです(FF XIIではこのシステムをガンビットと呼んでいます).これはAIにおけるプロダクションルール記述に酷似しており,条件部と実行部をそれぞれユーザが選択してキャラクターの行動パターンを決めます(例:体力が50%以下の味方に回復魔法をかける).これにより,従来のコンピュータゲームでは出来なかった柔軟な設定が可能になるうえに,うまく設定できれば戦闘が有利になるという利点もありました(逆に,下手な設定をすると雑魚キャラにも負けるようになります).私的には,FF XIIの出現によって,コンピュータゲームにおけるAIは単に知性を感じさせる存在から,本当の意味でユーザが利用する技術になってきたような気がします.

現在,私の研究室では,FF XIIのシステムを参考にした初心者向けAIの概念学習システムを研究開発中です.AIや人工知能と聞くと敷居が高いように思われますが,決してそんなことはない,身近にいっぱい使われているのだということを,このシステムを通じて教えられたら良いなと考えています.

電情日記

制御工学、その周辺散歩(2)-記録と継承

小林 正紀

先日の昼下がり、家の前の電線に燕が二羽とまって何やらオシャベリをしていた。結構大きな声で夢中で話している。こちらには何を話しているのか全然通じないが、とても楽しそうである。この燕が2年前から家の軒下に営巣している。彼らは住まいを自分たちで作る。材料は泥や古わらや枯れ草などの植物、天然の素材である。しかもその出来上がりは芸術的で、家の壁面に何の支えもなく泥を塗りつけるだけだが、数羽の子どもと自分たちが乗っても落下することはない。どうしてこのような技術(?)を覚えるのか不思議である。営巣技術は代々継承されている。

我々人間は知能の発達により情報の伝達、蓄積、記憶に色々な手段、道具を開発し、利用している。制御システムは情報の計測に多くのセンサを利用し、情報の受信発信で成り立っている。最近は情報通信技術の進歩とともに、いわゆる外部記憶装置の進歩発達が著しい。かなりラフに言えば、人間が自分の頭脳の外に情報を記録できるようになったのは、文字を作り出し、記録媒体としての紙を発明したのが始まりであろう。爾来、膨大な情報が紙面に蓄積されてきたが、20世紀の後半からは、様相が変ってきた。デイジタルコンピュータの発達、情報のデイジタル化と相俟って、記録媒体も次々と新しいものが実用化された。磁気テープ、ハードデスク、フロッピー、CD,DVD、フラッシュメモリ他技術競争のオンパレードである。また、紙ベースの情報の電子化もずいぶん簡単で便利になっている。

ところで、たとえばフロッピーデスクだが最初は8インチ、次に5インチそして3.5インチと技術の進歩を反映してわずかな間に変わっていった。そして、うっかりしていると8インチや5インチに記録した情報は取り出すことができない。電子化した多くの図書や文献についても同様のことが起きている。常に利用可能な状態を保持しようとすると維持費が嵩む。一方、紙ベースの情報は何百年前のものでも比較的容易で安価に利用できる。燕はお金に無縁である。

最近日常生活で世代間ギャップを感じることが多い。勿論、時と共に社会通念が変わっていくのは驚かない。がそれにしても親から子、子から孫へと人間のDNAが本当に継承されているのだろうかと些か心配になることがある。外部メモリに頼りすぎなのではないか?、技術の進歩とは何なのか?、と思う度にあの燕が思い出される。

電情日記

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