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電情日記

電磁波と私たちの生活

森田 長吉

今回は私(森田)の講義と研究に関係深い電磁波のお話です.

電磁波は電界と磁界同時振動の波です.この振動が1秒間に何回起こるかの回数を周波数といい,周波数何ヘルツ(Hz)という言い方をします.

さて,電磁波はその振動の周波数が3,000,000,000 Hz(1秒間に30億回の振動)以下のとき「電波」と呼びます(電波法の定義).これより1,000倍くらいまでの周波数のとき「マイクロ波」と呼びます.専門的にはマイクロ波もその周波数により各種の呼び名を持ちます.マイクロ波より高い周波数は「遠赤外線」,さらに高いと「赤外線」です.その更に上,マイクロ波の上限周波数の30万~100万倍の周波数の電磁波,がいわゆる「光(可視光線)」となり,光より上の周波数で「紫外線」となります.実はその上の周波数にも電磁波があります.一般にX線と呼ばれる放射線,さらにその上はガンマ線と呼ばれる放射線です.逆に非常に低い周波数の電磁波は電圧,電流,電気回路で扱われ,50Hz,60Hzでは電力エネルギーとして供給されています.私たち人間はこのように多様な呼び方を持つ電磁波の中のほんの一部である「光」だけを眼で感知し生きているのです.

人類の歴史でほんの120年程前までは光以外の電磁波は“意識しては”用いられていませんでした.今から140年程前にマックスウェルという科学者が電磁波の存在を予言しました.その存在を実証する研究に懸賞金が出され,これに見事答えたのが周波数の単位に名を残すヘルツという科学者です.ところがヘルツ自身はそのとき,電磁波は人類の実生活とは全く無関係な科学的現象の一つにすぎないと信じていたそうです.

現在はあらゆる場面で電磁波が私たちの生活に大きな役割を果しています.光や放射線などの高い周波数の電磁波が医療に果たす役割も大ですが,一番身近に感じる電磁波の用途は情報通信でしょう.携帯などの信号処理回路は現在ほとんどマイクロ波集積回路でできていますがこれも実は「電磁波」回路です.気象,地表,海表,物体などの観測レーダーにも電磁波を使います.動く物との通信,宇宙との通信,放送は電磁波なしでは不可能です.

現在,関東一円のラジオ,テレビ放送は東京タワーの上方に設置された多数のアンテナから放射される電磁波によって供給されています.すなわち東京タワーは電波塔です.展望台は付随的役割です.最近超高層ビルが増え電波障害が多くなってきたのでこの電波障害を低減するために新しく東京スカイツリー(Sky Tree)が建設されることになりました.高い塔を建てるとなると沢山の利権がからみ,長らくいろいろの議論が沸騰しましたが,結局東京都墨田区押上に建てられることに決定しました.比較的私たちの大学の近くなので楽しみですね(この塔に批判的な人もいますので控え目にですが).東京スカイツリーは610.58メートル高で塔としては世界一の高さだそうです.2011年7月をもって終了するアナログ放送の後を受け,ディジタル放送各局アンテナ設置用電波塔となります.当面NHK総合・教育,日本テレビ,テレビ朝日,TBS,テレビ東京,フジテレビ,TOKYO MXの放送波送信アンテナが予定されていますが,今後他の通信用のアンテナも追加されると思います.3月末では写真のようにまだ鉄柱の基礎部分が2,3本見えるだけです.2012年の春に開業となるそうです.

電情日記

道は爾しと雖も行かざれば至らず

本岡 誠一

こんにちは。電気電子情報工学科の本岡です。

普段は学長として、千葉工業大学の教育研究の環境づくりに取り組んでおります。今回表題にしたのは、つい先日挙行致しました平成20年度の卒業式で、本学2095名の卒業生に贈った荀子の言葉です。

荀子は、紀元前三世紀中国戦国時代の儒学者であり、荀子の名言といえば、「青は藍より出でて藍より青し」が最も有名かもしれませんが、約2300年後の今の時代、若者に伝えておきたいと思ったのは、この言葉です。

『道(みち)は爾(ちか)しと雖(いえど)も行(ゆ)かざれば至(いた)らず』

どんな事でも、実行しなければ完成しないという意味です。

今の時代と言えば、皆さんもご承知のようにアメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機は、昨年9月の米国大手投資銀行の破綻をきっかけに各国の実態経済へとその影響を拡大し、今や主要国が軒並みマイナス成長に陥り、世界中が混乱しております。歴史を振り返って見ると次世代を担う技術や産業は得てして、逆境の時代に誕生しているのも事実です。明治維新以来、世界大不況と言われるものは4回ありました。一回目は1873年米国の鉄道建設バブルの崩壊です。この不況を救ったのは電話機の発明による通信革命であり、機械技術の発明や発見も相次ぎ近代工業社会へと移行しました。二回目は1907年、丁度百年前の金融恐慌です。反トラスト運動激化のもとでの大不況でした。この時は有名なT型フォードの発売で輸送革命が始まり、大量生産時代の幕開けとなりました。三回目が1929年の大恐慌です。ナイロンや合成樹脂などの素材革命が起こり、エレクトロニクスの発達へと繋がりました。四回目が1973年の石油ショックによる世界不況です。IT技術の発展で情報革命が始まり、脱工業化社会、知識基盤社会へと開花しグローバル化が急速に進みました。

大不況は一つの時代が終わり、新時代が開幕するための経済の摂理とも言われており、米国IBM社のサミュエル・パルミサーノ会長が今回の危機後を予言して『勝者は嵐を生き延びた者ではなく、ゲームのルールを変えた者だ』と言っております。100年に一度と言われる今回の世界同時不況の時に、我々には思い切った発想の転換、新しい企業を生み出す構想力が求められております。

本学でも、「師弟同行 自学自律」の建学精神の基で、学生自ら学ぶ楽しみを実感できる教育環境づくりに、我々教職員一同努力しておりますが、学生諸君、そして卒業生諸君には、「指示待ち人間にならないで、何事にも果敢に挑戦し、自分で考えて行動できる二十一世紀型の人間を目指して、楽しく実り多い青春時代を過ごしてもらいたい」と思っております。

最後に、これから新しい生活にチャレンジする若者にもう一つ、本田宗一郎の言葉を贈ります。

「チャレンジして失敗する事を恐れるよりも何もしない事を恐れろ」

電情日記

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