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電情日記

チャールズ・カオ博士

伊藤 武

画質が芳しくないが思い出の1枚の写真です。写真の右端がチャールズ・カオ博士です。左側の2人は私の知人です。もう20年近くも前の1981年4月末、米国サンフランシスコで開催された光ファイバー通信に関わる国際会議の展示会場での一瞬です。

今年もノーベルの命日である12月10日にノーベル賞の授賞式が挙行される。物理学賞受賞者の一人が写真のチャールズ・カオ博士です。受賞理由は「光通信を目的としたファイバー内光伝達に関する画期的業績」です。博士の受賞対象となった業績に関わる初期の論文(以降、簡単に“論文”と略記する)は1966年、英国電気学会論文誌上に発表されているので、受賞までに要した時間は40年余です。

私は学生時代に電波天文を齧っていたが、1967年に社会に出てからは一貫して光通信の研究開発と教育の世界に身を置いている。光ファイバー通信が、文字通り、昇龍の勢いで立ち上がる時期に、その勢いに寄り添うように仕事が出来た訳で大変恵まれていて幸運なことです。その一時期にカオ博士とめぐり会う時間を持てたことも幸運なことの一つです。それほど深い直接的な関わりがあったわけではないが身近に感じられる人のノーベル賞受賞は大変嬉しいものです。

カオ博士は「時の人」なので、経歴、業績、家系、現況などは既に詳しく紹介されているネット情報などにまかせ、私の極めて個人的な思いを述べ、遠くからではあるが博士の受賞に祝意を表したいと思います。カオ博士の“論文”の内容は、非常に乱暴に要約すると、ガラスを材料とする光ファイバーの損失は不純物を除くことで大幅に低減できることを示唆し、導波理論から製造に関わる広範な観点に立った考察に基づき、画期的な通信システムの可能性を提言したものです。博士の非凡な点は、当時の常識からすると桁を越えての低損失伝送路の可能性を明示した点に止まらず、日米欧の先進諸国の通信研究開発組織や製造会社などを直接訪問し、低損失光ファイバー開発の魅力を啓蒙した点です。事実、それを契機として、1970年、米国のコーニング社を皮切りに日米欧の多くの機関により低損失石英系光ファイバーが実現された。光ファイバー通信システムが現在の情報化社会を支えていることは周知の事実です。

柳の下の泥鰌を狙った訳ではないと思うが、その後、多成分ガラスで更に低損失光ファイバーが可能との論文が発表され、関連する研究者や技術者の仲間内で一時大変な話題になった。しかし、実現されるに至っていない。単なる机上の試算になるか、革新の引き金になるかの間には、研究者の感、先見性、あるいは、センス、更には、開発に向けての強い動機づけの努力が大きくものを言うように思われる。カオ博士の紳士的な所作、温厚な話しぶりの裏には強い自信と信念があったのだと今更ながら思いを致す訳です。

私の身近から、更に、あるいは、将来、自信と信念の人が多く現れることを望んでいる。

以上

電情日記

Demo or Death

飯田 一博

電情日記も3巡目になりました.空間音響を研究している飯田です.今回は,研究や教育におけるデモンストレーションの重要性について考えてみたいと思います.

私は,この11月11日から13日まで,宮城蔵王で開催された「空間音響の原理と応用に関する国際ワークショップ(International Workshop on the Principles and Applications of Spatial Hearing)」に研究室の2人の大学院生とともに参加し,招待講演1件とデモ発表2件を行いました.デモの内容は,「ヘッドホンを用いた3次元聴覚ディスプレイ」と「2つのスピーカを用いた3次元音像制御」です.いずれも,ヘッドホンもしくは2つのスピーカで立体音響を聴くことができるシステムです(詳細は私の研究室のウェブサイトをご覧ください http://www.binaural-lab.com/).

国内開催とはいえ,国際ワークショップですので発表は全て英語です.参加者は約90名で,海外からは25名の研究者が参加しました.以下の写真は,われわれの2つのデモの様子です.デモセッションは夕食の後,夜8時に開始して深夜12時まで続きました.デモの希望者が後を絶たずたいへんな盛況で,あっという間に4時間経っていました(写真3をよく見ると,デモを聴いているインド系研究者は浴衣を着ているのがわかりますが,われわれは着替える時間もありませんでした).

デモを行うことにより,われわれの研究によって世界で初めて実現した点や,今後さらに研究を進めなければならない点などを直観的に理解してもらえ,多くの賞賛と激励を受けました(実は,デモの2時間前までソフトウェアの改良を行っていて,本番は冷や冷やだったのですが…).音響学の世界では,「百聞は一見に如かず」をもじって,「百見は一聴に如かず」と言いますが,まさにそれを実感したデモセッションでした.


写真1.
3次元聴覚ディスプレイのデモをする大学院生

写真2.
デモコーナーには人だかりができました

写真3.
2スピーカによる3次元音像制御のデモをする大学院生

ところで,タイトルの“Demo or Death”は,米国マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のメディアラボのキャッチフレーズです.これは,この研究所では,研究の意義や重要性,成果をデモによって五感に訴える説明ができなければ,その研究は中止に追い込まれること(Death)を意味しています.良い意味でも悪い意味でも米国らしい価値観です.

私は,メディアラボのようなデモ偏重主義者ではありませんが(数学や哲学のようにデモが難しい重要な学問もある),研究が目指すものや研究成果,あるいはその応用先をわかりやすく伝えることは研究者の義務の1つだと思います.また,デモをすることにより,研究者自身がその研究の完成度や課題を体感することができます.実は,このことがデモのいちばんの効果ではないかなと私は思っています.

学会発表だけでなく,大学での授業やオープンキャンパスなどでも,私はできるだけ多くのデモを取り入れたプレゼンテーションをしています.学外の皆様も,ぜひデモを体験しに来てください.研究成果を応用した楽しいデモを用意していますので.

電情日記

赴任のご挨拶と私のパワーエレクトロニクス

西田 保幸

電情の西田です。今年の4月に千葉工大に赴任してきました。専門はパワーエレクトロニクスで、3年生・後期の授業「パワーエレクトロニクス」とその後続授業の「制御エレクトロニクス」(4年生・前期)などを担当しています。今回は最初の電情日記ですから私の研究について紹介します。

「パワーエレクトロニクス」(Power Electronics:以下、PEと略記)とは、スイッチング用の半導体素子(「パワーデバイス」と呼ばれ、パワートランジスタやIGBTなどがあります)を高速にオン・オフ動作(スイッチング動作)させながら電力を変換する装置・機器についての技術分野の呼び名です。「静止形電力変換」や「半導体電力変換」といった呼び名もあります。電力変換技術そのものとその応用分野としてのモータドライブ(電動機駆動)技術も含まれます。この種の技術では、パワーデバイスの高速オン・オフ動作(速いものでは数10[ns]でスイッチング動作を終えます)を駆使して電圧や電流を切り刻みつつフィルタリングしながら望みの滑らかな波形を高効率に得るところがミソになっていますが、その代表的手法がPWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれるスイッチング法(切り刻み法)で、これまでに色々な切り刻み法が開発されています。図1はPWMインバータ(研究用試作品)の例です。

私は24歳の頃からPE関係の研究開発・教育分野に居て各種の電力変換装置(整流器,DC-DCコンバータ,インバータ)に携って来ましたが、特に整流器(三相整流器)が専門で、さほど長くないPEの歴史(60年程度?)の中で50年の歴史がある3相パッシブPFC整流器という特殊な整流器の分野が専門中の専門です。 この整流器ではPWMを全く用いない点に特徴(強みも弱みも)あります。PWMとパッシブの強みの両取りを狙ってやっているのが“Hybrid PFC”で、図2はその回路構成と波形の例です。綺麗な正弦波(入力線電流)が描けているでしょう!この種の整流器が次世代旅客機で採用され始めていますが、我が国に航空機産業が根付いていないのが残念です。

養ったPE技術を基に最近話題のEV(電気自動車)にも取り組みながら卒研生らとPE技術の実践(ものづくり)を楽しんでいます。図3は千葉工大赴任前の大学で製作したコンバートEV(ガソリン車を改造して造る電気自動車)です。構想・調査・仕様決定・部品発注・製作・試運転に学生3名が2年を費やしました。その間、私は費用の心配や保管・作業場所の大学との交渉程度しか参加していません。師弟同行に反しますが、学生が育ついい方法でした。続きを千葉工大でやろうと計画しています。クールなコンバートEVを製作して時々銀座に買い物に行くのが当面の夢です。ボディーには千葉工大のロゴを付けておきますから、「いずれ津田沼にTV局が取材に来るかも?」ですね。その為にも「1充電で津田沼から余裕で銀座往復」の仕様実現を目指します。

電情日記

非線形回路の魅力

清水 邦康

2009年度から新たに赴任した清水です。今回このコーナを借りて、私が進めている研究などについて解説というよりは今まで考えてきたことや感じていることなどの一部を記せればと思います。私が現在の研究テーマを始めるきっかけ、つまり第一歩となったキーワードのひとつに“カオス”という言葉があります。いわゆる、無秩序や混沌という意味を持つ言葉で今日様々な場面で(時に冗談としても)使われます。さて、私が学生時代に興味を持ったのは「一つ一つは単純なものでもそれらが相互に影響しあうことでも混沌とした現象が起きるという事実に触れたい」という点にありました。私が最初に目の当たりにしたのは、いくつかのとてもシンプルな電子回路が互いに結ばれたときに見られる動作が非常に興味深く、相手は電子回路なのに生きているかのようにも感じられ不思議に思いました。「生きている」ものは私にとって非常に魅力的に感じます。その理由の一つとしてはその動作や様子がダイナミックに変化していくということが挙げられます。そして、そのような動作の多くは未だその理由が分かっていません。生物などがよくわからないような行動をするのは分かる気がします、そこになにかしらの考えがあり行動している場合などです(*)。

しかし、電子回路にはそのようなものがあるとは思えないにも関わらず、前述のように不思議な動作をする場合があります。回路など何か所望の動作をさせたい道具にとって、どうしてそのような動きが起きるのか分からないためにコントロールできず問題となることがあります。一方で、生物が持つ(周囲の変化等に対する)柔軟性は今の技術で実現できないことがあるのも事実です。そんな率直な思いから電子回路にみられる興味深い現象について「どうしてそんな動きがみられるの?」「その動作をつかってこんなことができないか?」などと考えながら研究をしています。最後に、ずいぶん粗っぽいことを書いたものだと恐縮しますが一歩・一歩やっていきたいと思っています。

(*) そんな考えが通用しない生物もいます。例えば脳などの命令器官を持たない単細胞生物です。写真はその有名な例の一つである粘菌と呼ばれる生物の一種。研究室で実際に培養していてその柔軟性に驚かされます)

電情日記

中間発表回顧録

糸井 清晃

糸井です.前回は研究のことを中心にというテーマでしたが,今回は研究にこだわらずということで,悩ましいといえば悩ましいですが,とにかく2度目の駄文を披露したいと思います.

先日健康診断を受けてきました.年齢より若く見られることもある所為か,自分自身まだ若いつもりでいる,というか,いたいのですが,さすがにそれなりの年齢なので健康状態は気になるところではあります.取り敢えず,現地で結果が分かる項目は概ね異常なしだったように記憶しております.その他不安な点はいくつかありますが,この記事で不健康自慢をしても仕方ないので,忘れた頃に渡される詳細な結果をビクビクしながら待つことにします.
さて,研究室はといえば,情報コースでは卒業研究中間発表が10日後に迫っており,4年生は「去年先輩が○○先生にツッコミに困っていた」等々,ビクビクしているようです.が,中には余裕というか開き直ってしまったような者も若干名見受けられるような... 例年,発表より前に,まずリハーサルで指導教員のダメ出しをクリアーするのが一苦労ですね.

この時期の4年生を見るにつけ,思い出すのは私自身が4年生の時のことです.前回の記事で私は小林幸雄先生の研究室に所属していると書きました.大学院も同研究室でしたが,4年生の時は別の研究室でした.指導教員はとても怖い先生(同年,先生の退職に伴い,大学院では小林先生指導となりました)...研究テーマは,忘れもしない「太陽大気中の双極黒点磁界の表面回転流による変動」という,太陽大気中の磁界変動のシミュレーションでした.電磁気学,微分方程式,フーリエ変換の他,視覚化するためのコンピュータグラフィックス技術,そしてもちろん,シミュレーションを実現するためのコンピュータプログラミングの知識等々,盛り沢山の内容でした.これらについてそれなりに理解し,発表しなければなりません.もちろんこのような発表の経験はほぼ「零」です.しかも,当時大学院進学が決まっていた私は,就職活動をしなくてもよいという点で他の人より時間的余裕もあったため,研究内容について訊かれる立場にいました.リハーサルの前にも訊かれ,リハーサルでダメ出しされて修正するために訊かれ,そのたびに説明していたため自分の発表準備が疎かになってしまい,発表そのものは他の人より出来が悪かったように記憶しています.しかも,発表中でも間違ったことをうっかり口にしてしまうと(言い間違い/理解不足に関わらず),指導教員が「違うだろ!」と口を挟むという地雷付きでした.それでも,シミュレーションがそれなりに動き刻々と変動する磁界の様子が画面に映し出されたときは感動したものです.その気分の良さも手伝ってか,最終発表はだいぶ上手く出来たのではないかと自負しております.下の写真は,シミュレーション結果を論文用にX-Yプロッタで出力したものです.わかりにくいかもしれませんが,変化していることだけでもお伝えできれば幸いです.「違うだろ!」って怒鳴り込まれないことを祈りつつ...

毎年発表前の4年生が言われることですが,「研究している自分たちが一番分かっている(はず)」なので,堂々と発表,質疑応答してくれればと思います.終わったら,「反省会」という名の楽しい打ち上げが待ってますので...

電情日記

シームレスな無線通信を実現するソフトウェア無線技術

中林 寛暁

電気電子情報工学科の中林寛暁です.現在大学は後期授業の開始直後であり,私は講義と新3年生を研究室に向かい入れる準備に追われています.

さて皆さんは,「ソフトウェア無線」という言葉を耳にしたことはありますか? 従来の無線機は通信に必要な機能を電子回路によるハードウェアで実現していました.「ソフトウェア無線」ではその機能をプログラムによるソフトウェアで実現します.私の研究室では環境適応通信について研究をしていますが,環境に応じて最適な通信を実現するために,このソフトウェア無線技術が不可欠となります.ソフトウェア無線機はプログラムの書き換えにより機能変更が容易に行えるため,柔軟にさまざまな方式に対応する無線機であると言えます.

全ての必要な機能をソフトウェアで実現したいのですが,電波の使用周波数から取り扱う信号の周波数が高くなるため,一部をハードウェアで構成する必要があります.受信側で考えると,アンテナで受けた信号はRF回路で増幅,フィルタリングされ,低周波信号へとダウンコンバージョンされます.その後A/D変換により離散的なディジタル信号に変換され,プロセッサにより復調,復号し情報が取り出されます.もし完全に実用化されれば,ユーザーにとっては端末の一本化,経済的なサービスの利用,事業者などにとってはインフラの保守や更新の効率化,開発コストの削減などが見込まれています.

ソフトウェア無線機の構成例

話変わって,私の研究室では毎年4年生と大学院生とともに夏期休暇中にゼミ合宿に出かけています.ここ何年かは大学の厚生施設である「御宿研修センター」を利用していたのですが,今年は山梨県石和温泉にある「ホテルうかい」を利用しました.本学には10箇所ほどのPPAで援助可能な施設が開設されており,低料金で宿泊が行えるようになっています.ゼミ終了後は石和温泉から河口湖を経由して,都留市の管理釣場に立ち寄りました.大変空気が良く,リフレッシュできたとともに親交も深まったと思われるので,これからの研究に大いに期待しましょう.

ゼミ合宿での記念撮影      管理釣場の魚たち

参考書:“新世代ワイヤレス技術”中嶋信生編,丸善株式会社

電情日記

ケープタウンよりこんにちは

脇本 隆之

電情の脇本です。私は今南アフリカのケープタウンのホテルでこの原稿を書いています。来年FIFAワールドカップが開催されることから最近よくこの地名を耳にする人も多いと思いますが、実際に訪れる人はごくわずかだと思います。南アフリカは日本から14,000km離れた地球の裏側にある国です。戦時下にない国の中において世界で最も危険な国としても有名ですが、実際のところ、私も昼2時にホテル前でひったくり(未遂)に襲われたほどです。ホテルのフロントマンからは「夕方5時以降は絶対に一人で出歩かないでください」ときつく言われ、常に複数で行動するよう注意していました。

このような街で2年に1回世界中の高電圧工学の研究者が一堂に集う国際高電圧工学シンポジウムという学会が開かれています。その学会に参加するため飛行機を3回も乗継いで24時間もかけてやってきました。写真は街で唯一安全なウォーターフロントという場所から見た夕日を受けるテーブルマウンテンです。1000mの岩山が急にそびえ立つこの山はケープタウンの街のどこからでも見える象徴として有名です。

さて、高電圧工学というと皆さんはどのようなイメージを持っていますか?古くさい?危険?重そう?どれも間違っていません。フランクリンが凧の実験で雷は電気だと証明したのは1752年のことですし、同じ実験を試みた研究者は感電によって何名も命を落としています。

また郊外に出かけるとたまに大きな変電所を見かけることがありますが、そこには一つあたり数トン単位の機械の集合体が設置してあります。
それは私たちの暮らしを豊かで文明的に支えるための技術の粋でありますが、ひとたび停電が起きたならば私たちは100年前の生活を体験しなければなりません。

私たちの研究室は雷のような過電圧を高精度に測定する技術の向上を目的とした研究を行っています。そのために電気分野だけでなく電子、情報分野の技術を融合させた研究を行っていて、新しく、安全な、軽い研究が高電圧の分野でも行えるよう目指しています。

最後に、アフリカ大陸の端っこ「喜望峰」の写真をお見せします。小学生の頃地球儀を廻しているとき、アフリカ大陸の最南端にカタカナでなく漢字で表記されているこの地名を見つけたとき妙に異常な興奮を覚えた記憶があります。「いつか行ってみたい。」その思いが今かないました。受験生の皆さんも夢を実現させるため一生懸命がんばってください。

電情日記

身近に思うこと

林 喬久

久し振りに2回目の投稿となった 自然現象に興味を持っている 林 です。

1ケ月ほど前(7/22)、日本では46年ぶりの皆既日食が起こり、皆既日食帯にいる世界の人々がこの宇宙ショーに見入り又何かを感じたことと思います。その中で太陽の外側に広がる高温のガス(コロナ)も良く見ることができるであろうが、残念ながら観察しに行くことができなかった。関東近辺は雲が多く判断しにくかったが、最大日食時には少し明るさが減少した感じであったように思われた。この瞬間を待ってくれることも変えることもできない自然現象にただ偉大なものを感じるのは、太古も現代においても変わりないことは確かであります。この現象は解明されていても全てにおいて制御することはできないで
しよう。

この美しい宇宙ショーの感動を味わえるのは、人類一生の内 次回の同じ現象が生じるのが26年後としても2回に過ぎないであろう。私はあと26年後まで生きるとしても90歳となります。不可能か可能か・・?長生きしようと思いますが、先ず地球のことを考えなければなりません。地球上の自然環境をもっと良くするために制御できないものであろうかと考えつつもうすぐ定年となるであろう私も自然のために頑張ろうと言う気になる現象を見たというか 感じたのです。どうしても、もう一度晴れの状態で次回の宇宙ショーを観察したいと思うのです。

太陽から放出される高温のガス(コロナ)はプラズマ状態にあるのですが、研究においてもコロナ放電という微小なプラズマ状態を利用しております。このコロナ放電は電気エネルギーを供給しなければなりません。何気なく使用している電気ですが、効率、安定、安全が求められています。即ち電気工事も重要な仕事です。ところで、新1号館の電気工事は大変な仕事であったと思います。ある日電気工学実験室内の配線について工事関係者と話しをしている時、卒業後2年目の草野君が一緒に仕事をしていた。汗をかき頑張っている姿が頼もしかった。現場にいる彼を後輩にも見せたかったと思った。

私の研究室からこの2年で同一電気工事会社に2人が入社、来年度も2名内定となっている。他の学生も電気工事会社への内定が多いです。

先日、東光電気工事(株)より 研修所及び社員寮の施設ができました と言うお知らせから、これらの施設を見学させて頂ける機会を得ました。新入社員には現場に即した研修所で学ぶことができ仕事もできる環境でした。その研修所内は工事現場を再現したもので、一般学生でも興味があれば分かりやすく説明が加えられており、是非見学させて頂くと良いと思いました。

一言、在学中に何か1つ資格を持って卒業できるように心掛けましょう。

電情日記

因果関係

野口 和夫

「因果関係」とは—–二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること—–(大辞泉)とある。社会科学や自然科学の分野にかかわらずそれこそいろいろな現象、できごとが日々生じている。たとえそれらの出来事が個人や社会、人類にとって不利益になることはもちろん、有益なことでもその原因はどんなことによるだろうかとかあるいはこれら現象の間にはどのような関係があるのかを考えるのは、ただ単に知的好奇心からだけでなく将来に対する対応を考えるためにも重要なことであろう。

数十年前私がまだ若い頃読んだ本*の中に次のような一節があった。まず図1を見て頂きたい。注釈を読まないで図だけ見るとこれから何を連想されるだろうか。この図は1930年頃の離婚率の分布である。この図は積雪量の分布(適当な図がないので載せてない)とほぼ似てないだろうか。裏日本や北日本の積雪量の多い地域は離婚率が高いことを示している。このことから、積雪量と離婚率はある関係があるという結論を得たとする。この推論の結果をどう思うだろうか。現代ならこれを頭ごなしに否定する人は多いだろう。

つぎに図2を見てほしい。いま世界的に話題になることも多い温暖化についてである。この図は炭酸ガス濃度と気温変化を一枚のグラフに描いたものである。二酸化炭素濃度と気温が同じ傾向を示している、よい一致をしているといってもよいだろう。それでこの図だけを見てやっぱり温暖化の原因は二酸化炭素であると結論を出したとする。そうすると多くの人はそうだろうなあとほとんど疑問を挟まず肯定する人は多いと思われる。温暖化の原因は二酸化炭素であると結論してもよさそうであるがそうであろうか。

「事項AとBは関係がある」という証明はただグラフが同じだからというだけでは不十分でないだろうか。なぜなら図1と図2では論理が同じでも一方は肯定し他方は否定するということになりかねないからである。まして「AまたはBがBまたはAの原因である」という証明はこのような図だけでは不十分である。

今度は図3である。太陽黒点周期の長さの変化と北半球気温偏差を示している。これもよい一致を示している。ここでこの図からだけで判断すれば黒点の周期と気温は関係があるという判断を下してもおかしくない。図2と図3の両方を知ったとき二酸化炭素と黒点周期と気温の関係をどのようにとらえればよいだろうか。図が二つになっただけでもそれらの関係をつかまえるのは容易なことではなくなる。

図4は図2と同じく二酸化炭素と気温変化の関係である。図2と異なり図4はこの半世紀ほどのデータであるが、ここでよくみていただきたい。一部例外もあるが気温が上昇した数年後に二酸化炭素濃度が上昇している。ごく最近では二酸化炭素濃度が上昇しているにもかかわらず気温が低下している。この図からだけで判断すると二酸化炭素は気温上昇の原因ではないことになる。先入観で図2から二酸化炭素が温暖化の原因と判断するとこれに反する結論となる。

このように原因と結果を考えるとき、個々のデータの正確さなどに注意することは当然としてそのほかいろいろのことを考え批判に耐える結論を出さないといけない。将来皆さんが調査や実験をして結論を導くとき十分注意していただきたい。

* 風土の構造 鈴木秀夫 (現在は原書房から出版されている)

電情日記

オーストラリアにて…

関 弘和

電気電子情報工学科の関です。今日は今年2月にオーストラリアで開かれた国際会議に出張したときのお話をしたいと思います。

今回は写真にありますように,私の研究室の大学院修士課程の学生が,ファジィ制御による電動アシスト車椅子の操作性向上に関する研究について英語で発表しました。英語で発表するのはなかなか大変なことではありますが,研究室で何度も練習をしていき,立派な発表ができたのではと思っています。

無事に会議終了!と,そこまでは良かったのですが,メルボルンからブリスベンに飛行機で移動した際にハプニングが起きたのです。ブリスベンに到着し,手荷物引渡場で預けたスーツケースが出てくるのを待っていました。しかし…,待てども待てども二人のスーツケースは出てきません。一応カウンターに行ってみましたが,結局,行方を調査してもらうことになり,泊まるホテルを伝え,ブリスベンの街に入りました。所持しているのは小さなカバンだけで,下着も,部屋着も,歯ブラシも,何もありません…。この日はホテルのバスローブを着て就寝となりました。

結局,スーツケースは,帰国寸前になんとか空港で無事受け取ることができました。帰国後に戻ってくることも覚悟していましたが,ほっとしました。ちょうどブリスベンに着いた日に空港でストライキのようなことがあったようなので,それが原因だったのかもしれません。

このようなハプニングはよくあることかもしれませんが,そのようなことに異国の地で遭遇しても冷静に対応すること,そしてそのための英語力,会話力が必要なんだなとあらためて感じました。

この電情日記をご覧の皆さんも将来,海外に観光や仕事で出かけることがあるかと思います。私は海外に出かけるたびに次のようなことをよく感じます。日本に来ている外国人を見て,その人の発言や振る舞いによってその国のイメージを抱くのであれば,逆に,我々日本人が海外に行ったときにとる行動や発言によって,海外における日本のイメージが形成されていくはずです。何も政治や経済に限ったことではなく,我々一人一人が何気なく行う行動や発言が国のイメージそのものを変える可能性があるのではないか。ですから,特に海外に出かけるときには,「自分は日本を代表してこの国に来ている!」という意識を心のどこかに持ち,恥ずかしい行動はしない,そして堂々と物怖じせず振舞い,その旅行を十分に楽しむ,ということが大事ではないかと考えています。少し大げさかもしれませんが…。

電情日記

2009年1月
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