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電情日記

聞くことを目的としない音で、見えない物を

本岡 誠一

あけまして、おめでとうございます。

今年も皆様にとって実り多き年となりますよう祈念致します。

新年早々研究室紹介を担当することとなりました本岡誠一です。

普段は学長として、学生諸君が自ら学ぶ楽しみを実感できるような魅力溢れる教育環境づくりに取り込んでおりますが、今回は電気電子情報工学科の教員として、私の専門である超音波応用計測について紹介します。

超音波とは人間の耳で聞くことのできない弾性振動波のことです。また、超音波は気体に限らず、液体中や固体中 でもよく伝搬するために、光の届かない不透明な物質中や電波の通らない金属などの個体中や海水中での探査、計測、通信に広く利用されています。超音波応用計測に関する研究テーマは沢山ありますが、今日は40数年間も続けてきた私の研究テーマの中から、地中埋設物の映像化について経緯概略を紹介します。

この研究は、日本の各地に散在している石器時代からの埋蔵文化財や、地下に埋設されたガス管、水道管などを、非破壊(堀返すことなく)で地表面上から探査することを目的としています。一般的に、土木工事を行うに先たって、地下の状況を把握するために、電磁波を用いた地中レーダーが使われていますが、一般的な土砂中でも電磁波の減衰が大きく、地下2メートル程度が測定限界と言われています。また、水分や電解質の多く含まれる場合、地中レーダーの使用は、困難だと考えられます。そこで、電磁波の替わりに、超音波の利用を考えました。超音波を用いた地中探査の基本原理は、音源から超音波を放射して、媒質中の不連続なところ(異物体)から超音波が反射されるので、その反射波を受信して、必要な信号処理を施して媒質中の映像を作製するものです。しかし、この研究には色々な問題点が存在します。まずは、ハード面の問題です。超音波は電磁波より伝搬が良いとは言え、地中でかなり減衰されます。特に、高周波成分が減衰され、受信信号がぼやけるのは、画像再生に深刻な影響を与えます。そこで、比較的短パルスでかつ強力な超音波を地中に放射させる技術の確立が課題です。関連して、ソフト面では、地中埋設物の探査で、低周波数成分が多く、雑音も多い信号という悪条件下でも、高分解能の映像化が要求されます。そこで、私は最初、地中探査用の音源の開発から研究を始め、電磁誘導型音源を提案して、次に土砂の音波伝搬特性を解明した後、音源の構成、放射特性など、理論的、実験的検討を積み重ね、地中探査の専用音源の開発に成功しました。これらの成果を音響学会に投稿論文として発表し、注目されました。次に、信号処理方法について、極性振幅相関という新しい非線形的な合成処理を提案し、数値計算や色々な実験的検討を行い、従来の手法より飛躍的な高分解能を得ることに成功しました。現在、複数の埋設物の三次元映像化についての研究を進めています。写真には、実験状況と信号処理をして作製した映像例(実は三次元)を示します。

最後に研究を成功させるためには、失敗を恐れず、目標に向かって、地道な努力を積み重ねることが大切であること、みなさんに贈り、今回の話を終わりにします。

電情日記

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