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電情日記

教育熱心な電情を目指して

多田隈 進

学科長の多田隈です。学科改編から4年半が過ぎました。初代学科長の前川教授が病気のため10ヶ月で退任された後を受けて就任、3年10ヶ月になります。この間、定年で7名の先生をお送りし新しい6名の先生をお迎えした。

教育課程も変わりました。当初基礎自然科学コースを設置し広範な基礎学力の向上を目指しましたが、工学部に馴染めないで学生を配属することができませんでした。そこで平成18年度から総合システム工学コースに改組し、現在は電気工学コース、電子工学コース、情報工学コースの4コースで進んでいます。新設の総合システム工学コースは日本技術者教育認定機構JABEEへの認定申請を目指しています。JABEEとは世界標準に見合う教育プログラムを作り、学会、産業界の要請する教育を実施し、国際的に通用する学生を世に送ることを目的にしています。JABEEへの申請を目指して平成16年後半から学科の全教員で活動を始めましたが、多くの先生が講義のない土曜日に出席されて熱心に議論して下さいました。現在では6つのサブグループに分かれ、再来年度申請に向けて活動が続けられています。学科長として当初の不安が少し和らいできた感じがします。JABEE申請は認定を受けることが最終目的ではなく、国際標準に見合う教育を施そうという教育の改善を進めることが大事です。電情は全教員が一体となって教育熱心な学科を目指しています。その熱心さがあったために工学部で一番先にJABEEをスタートさせることができました。

研究室は電気機器工学、制御工学、パワーエレクトロニクスに関する研究を実施しています。昨年から大学院生有志の努力で津田沼祭の時期に“OB会”を始めました。写真は今年の集合写真です。2001年3月に博士課程を修了したトルコ人Alper君(文部省留学生)はいまBBC(スイス)に在籍しmanagerになっています。彼とは毎年IEEE/IASの年会で会いますが、Session OrganizerやSession Chairを務めるまでに成長しました。OB生の中から彼の後に続く人がでることを期待しています。

研究室OB会            ニューオーリンズにて
2007.11.24               2007.9.25

電情日記

トランジスタ 配線しなけりゃ ただの石

杉浦 修

集積回路配線の研究をしている杉浦です。今回は「配線」の宣伝をさせてもらいます。携帯電話などのポータブル電子機器にさまざまな機能が備わり,どんどん便利になってきました。これには集積回路(IC)の高性能化が大きく貢献しています。では,ICの性能を上げるために技術者は何をしてきたのでしょう?それは「集積するトランジスタの寸法をひたすら小さくすること(微細化)」です。現在ではトランジスタの構成部品(例えばゲート絶縁膜)の寸法が原子数個分という程度まで小さくなっています。

さて,トランジスタは微細化されて高性能になったものの,色々な問題が出てきました。そのひとつが配線です。「配線って,ただ銅線でつなげばいいんでしょ?」と侮ってはいけません。配線しなければならないトランジスタの数(数億個)と細かさは尋常ではありません。トランジスタをどんなにたくさん集めても,それを配線しなくては「回路」になりません。「トランジスタ 配線しなけりゃ ただの石」です。配線の問題はICの内側だけでなく,外側にもあります。トランジスタ1個の配線なら端子3本の接続で済みますが,ICには数百本の端子がでているものまであります。これを如何にコンパクトに配線するかが問題です。別な言い方をすると,電子機器の総合性能はトランジスタだけが決めるのではなく,「配線」が決める要素が非常に大きいのです。私は,この状況はICが発明された頃と似ていると感じています。トランジスタ・抵抗・コンデンサをプリント基板に一個々々はんだ付けして作っていた回路を,全て半導体チップに詰め込んでしまおうという発想。今はICをボードに取り付けて組んでいるシステムをシリコンチップに詰め込んでしまおう(SoC:System on Chip),あるいはひとつのパッケージにまとめてしまおう(SiP:System in Package)という訳です。杉浦研究室では無電解めっき技術を使ったSiP向け配線技術について研究しています。応用物理学会やエレクトロニクス実装学会を主な発表の場として,院生たちが研究発表を行っています。詳しい内容は別の機会に説明しましょう。

ところで,「半導体技術は高度に発達し切ったので,もう自分がアイデアを出す余地なんてない」と思っていませんか?そんなことは全くありません。そんな学生さんはキルビーが作った最初の集積回路[1]を見てください。きっと,「これなら俺だって,(私だって)・・・」という勇気が湧いてくると思います。今でこそ「これを集積回路と言っていいの?」と見える代物ですが,そこから出発して現在の集積回路があります。大勢の研究者・技術者のアイデアと努力が積み重ねられて今日の姿があります。現在のSiPを取り巻く環境はICの発明期と同じようなスタートラインにあると思うのです。色々なアイデアを提案できる時期です。一緒に配線の研究をしませんか?お待ちしています。

 

1) テキサスインスツルメンツ社のホームページ(http://www.ti.com/)からlearn about TI/Press Center→Image Library/Thingsとたどってください。First Integrated Circuitとして紹介されています。すぐに写真を見たければ次のURLにアクセスしてください。
http://www.ti.com/corp/graphics/press/i … co1034.jpg

電情日記

人工テーマパークで入場者の行動を観察してみよう!

小原 和博

こんにちは。電気電子情報工学科の小原和博(こはら)と申します。ところで、皆さんは東京ディズニーシーに行ったことがありますか? とても楽しいところで、いつも多くの入場者で混雑していますね。我々は、コンピュータを用いて、テーマパークの混雑を緩和する方法について研究しています。いつでもどこでも情報にアクセスできる「ユビキタス情報環境」において、市民間の譲り合いを動的に実現するサービスを「群ユーザ支援」とよび、具体例として「テーマパーク問題」や「カーナビゲーション問題」があります。テーマパーク問題とは、複数のアトラクションからなるテーマパークに多くの人々が訪れるときに、入場者の好みを考慮しつつもパーク全体の混雑度を減少させる方法を研究する問題です。我々は、実際規模のテーマパークをコンピュータ内に実現し、入場者の携帯端末に全アトラクションの混雑情報(行列人数)を知らせる場合と,人気アトラクションの優先搭乗パスを発券する場合について混雑緩和の効果を検討しました。具体的には、ディズニーシーを参考としたアトラクション数23個のテーマパークモデルを作成し、アトラクションには、人気度を予め設定して、人気アトラクションを設置することにしました。また、ディズニーシーでは「ファストパス」を発券させることによって混雑を緩和させていることから、このファストパスを参考にした優先搭乗パスを発券させ、その効果について比較検討しました。

我々が作成した人工テーマパークを図1に示します。全アトラクションを東ディズニーシー(2004年時点)と同様に配置し、人気アトラクションも同様に設置しました。図1では、それぞれの点が入場者を表しています。混雑情報を所持していない入場者は青色の点に,混雑情報を所持している入場者は赤色の点になっています。混雑情報を所持しない入場者が優先パスを取得した場合には黄色の点に、混雑情報を所持した入場者が優先パスを取得した場合には黒色の点に変わります。また、満足して帰宅しようとする入場者は緑色の点になります。図上にある数字は各アトラクションが存在する場所を表し、数字は行列人数を示しています。例えば、図1で行列人数が「100」と「96」で示されているアトラクションは、ディズニーシーの人気アトラクションである「センター・オブ・ジ・アース」と「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」に対応しています。

私の「人工知能」という講義で実演しています。入場者の行動をリアルタイムに観察できます。お楽しみに! 詳細を知りたい場合は研究論文を参考にしてください。電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)2007年3月号に掲載されています。それでは講義でお会いしましょう。

図1 人工テーマパーク Digital Park 1.0

電情日記

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