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電情日記

編集後記

糸井 清晃

2007年7月に始まり,電気電子情報工学科の先生方の研究内容・考え方・趣味等々について執筆していただき,ほぼ隔週でお送りしてきました「電情日記」ですが,本稿を以て終了となります.

開始からの8年5ヶ月の間に,7周で202稿を数えました.そしてこの度,7周目最後の執筆担当として,また,運営担当(ブログシステムへの投稿担当)として,僭越ながら締めの記事(203稿目)を執筆させていただくことになりました.そのようなわけで,投稿の際にも読んだのですが,改めて軽く目を通してみましたので,それに関することを主として書いてみたいと思います.

最初の頃の記事はいろいろな意味で懐かしいものです.記事の内容は勿論ですが,退職された先生方の記事もあります.そういえば,1周目の最後でも,私は編集後記っぽいことを書いていましたね.それと,投稿担当者としては,使い勝手の良くないフリーソフトのブログシステムに四苦八苦していたのもいい思い出です(大袈裟ですが).というのも,原稿はMicrosoft Wordで提出していただいていたので,画像等のレイアウトや文字のスタイル(太字・斜体・上下付きなど)をなるべくWordの原稿と同等に再現するのが困難なことがしばしばあり,あれこれ試行錯誤したものです.

懐かしいと言えばもう一つ,古い研究棟(旧2号館)です.確か新棟(現2号館)への引っ越しがこの頃だったなと思い,「引っ越し」で検索してみたら,記事で言及されている先生がいらっしゃり,2008年夏のことでした.新しい会議室での会議中に「ブログ(電情日記)を始めるので,交代で原稿お願いしたい」旨の了解を得たような印象もあるのですが,別の何かと勘違いしていたようです.確かに,幾つかの記事の写真が旧棟の物でした(私の最初の記事もそうですね.茶色っぽい廊下の床とか).学生時代を過ごした場所でもあるので,中々に感慨深いものです.

周回を追うごとに,退職される先生がいらっしゃれば,当然,着任される先生もいらっしゃいます.着任された先生方には,原則その周回の最後(ほとんどの場合私の次)に,研究内容を主とした自己紹介記事を投稿していただきました.私の記憶が曖昧なだけだと思いますが,こうして改めて記事を辿ってみると,着任年度も印象と違っていたりもするなという気がします.もう少し後だった様な気がするとか,その逆とか… これは,個々の記事に関してもいえます.古い記事から目を通したのですが,「この記事はこんなに前だったのか」と感じることもしばしば.

なにやら,私の曖昧な記憶自慢の記事になってしまいましたが,編集後記ってこんな感じですよね?と,独りで勝手に納得したところで,終わりたいと思います.

さて,電情日記の更新はこれで終了となりますが,記事自体はもうしばらく(多分,Webサーバが続く限り)このまま残されると思われますので,何かの折に,もう一度読み返してみるのも良いかもしれません.

その時,読者の皆様に何かしらの一助となるような新たな発見などがあったとすれば,執筆者の一人として,そして運営に携わった者の一人として,それに勝る喜びはございません.

ご愛読ありがとうございました.

 

電情日記

第6回ホームカミングデイの開催報告

中林 寛暁

電気電子情報工学科の中林寛暁です.今回の電情日記では,先日(平成27年11月21日)に本学津田沼キャンパスにて行われた,千葉工業大学同窓会主催のホームカミングデイ‐大同窓会‐について報告したいと思います.

ホームカミングデイとは,隔年で10年ほど前から開催されている大学全体での同窓会会合です.今回は第6回目として開催され,私は本会の委員であることから,準備担当として参加しました.今回のホームカミングデイは2部構成となっており,第1部は特別講演会,第2部は懇親会が開催されました.特別講演会では,本学社会システム科学部教授である大田勉先生から「駅力(エキリョク)指数を活かした街づくり」とのタイトルで講演がありました.主な内容は,列車の時刻表を用いて街の利便性を定量化するといった内容でした.また,千葉市幕張新都心における路面電車の導入構想を題材として,路面電車の時刻表を適切に定めることにより,住みやすい街づくりを実現するといった試みについて紹介がありました.路面電車が幕張新都心に導入されたらどのような街が実際につくられるのか,大変興味深く聴講しました.

懇親会では,余興として坂口和大氏(平成3年本学工業経営学科卒,日本オセロ連盟九段)による「オセロ多面打ち」が行われ,大変盛況でした(私の研究室の学生たちは完敗でした).また,懇親会の参加者は約400名であり,私が同窓会の委員になって最も参加者が集まったのではないかと思っています.

さて,最近,千葉工業大学同窓会の会則に変更があったのをご存知でしょうか.従来通り本学卒業生は正会員,正会員でない本学専任教員は教職員会員,本学学生は学生会員といった会員に対する会則変更が行われました.今後も継続的にこのようなイベントが実施されると思いますので,多くの方の参加をお願い致します.また,同窓会は卒業生の親睦を深めることを目的としているだけでなく,母校の発展に寄与することも目的としていますので,卒業生のみならず,現役学生の方も含め活動への協力をお願い致します.思いもよらない自己投資になるかもしれません.

ホームカミングデイ(第1部特別講演会)の様子

ホームカミングデイ(第2部懇親会)の様子

電情日記

整理整頓

清水 邦康

とある日の私の作業PCデスクトップのキャプチャ画像(ただし, 加工はしています)が下の写真。デスクトップ面積の8割程度ファイル等のアイコンが並んでしまっていて, アイコン数は数百個以上もありました。 通常はしかるべきところに整理整頓して保存しておくのですが, これも言い訳にしか響かず, 恥ずかしい状態です。この状態をきれいに見せるためだけなら, 一つの箱(フォルダ)を用意してそこに全てのファイルを入れればよいのですが, 見た目がさっぱりとなるだけで何の解決にもなりません。やはり普段の整頓している場所に地道に片付けしていく必要があり, 気づいた(気づけた)時こそスタート。

こうして始めてみるPCデスクトップの整理整頓。まずは不要なものを削除しその後に片付けるという文字通りの手順を基本とします。 (中略) 整理作業は一見単純作業ですが, 主観的な観点からは大事ですね。 忙しさや後処理などを理由とした「とりあえず」の情報を自分の中で取捨選択するよい機会となりました。

 

電情日記

ものをつくる

安川 雪子

電気電子情報工学科の安川です.

最近 ものをつくること について考える機会がありました.

 

ご存知の方も多いかもしれませんが

 

自然の中から自分たちで材料を調達し,丸木舟をつくる.

丸木舟をつくるのに必要な道具や,材料を調達するのに必要な道具もつくる.

できあがった丸木舟でインドネシアの島から黒潮に乗って日本まで旅をする.

 

という冒険をした方がいます.

 

舟をつくるために木を切るのですが,木を切るには斧が必要です.その斧をつくるために海岸で磁石を使って地道に120 kgもの砂鉄を集めたそうです.砂鉄を木炭と一緒に焼いて還元して鋼にします.そのため木炭が必要です.120 kgの砂鉄を鋼にするには300 kgの木炭が必要で,300 kgの木炭をつくるには3 tの木材(炭材)が必要です.そこで炭材から木炭もつくったそうです.その後,古くから伝わる「たたら製鉄」で砂鉄と木炭から鋼をつくり,その鋼を鍛えてやっと斧の刃物部分ができました.5 kgの鉄器(斧などの刃物部分)を得るためにこれだけの原料と手間がかかっているのです.さて,この手づくりの斧を使い,チェーンソーを使えば15分で伐採できる木を3時間以上かけて伐採し,丸木舟の素材を手に入れました…そこから先も万事このような過程を経て,丸木舟をつくっていったそうです.

できあがった丸木舟は,大昔に人類が海上を航海するのに使ったのと同じように,エンジン,モーター,コンパス,GPSもない舟です.海図も使わず島影や星と風力だけを頼りにインドネシアの島から4700 km離れた日本を目指して出航しました...しかし出航当日の航海は,なんと8 km.気が遠くなるような話です.

 

現代の私たちはとても忙しく,せっかちです.

 

効率よく時間を使うには?

時間がない!

 

誰もが日常的に考えることでしょう.なるべく時間をかけないように思案し,時間をかけたら損をした気分になり,時間短縮のためにお金と知恵を使い,日々忙しく暮らしている現代人は,時間がかかることが苦手な人が多いのではないでしょうか.

このドキュメンタリー映画を見た時,現代日本人でこのような「古代人的な」時間感覚を持つ人がいることに驚きました.そして現代社会において,このように時間と手間をかけて全てを自分たちでつくりあげることの贅沢さを感じました.

 

さて,私の研究室では「材料」を研究しています.

材料を自分たちで作り,作った材料の性質を調べて考察し,新しい現象や新しい高機能材料を探索することを目的としています.ゼロから新しい材料をつくり出し,それを社会で実用できるような開発に結びつけることを目指す研究室です.これは,かたちは違いますが上記で紹介した冒険と似ていると思いました.

最近は材料研究の分野にも効率化の波が押し寄せているのを感じます.材料を作製するグループ,その材料の特性を測定するグループ,特性をシミュレーションや理論解析するグループなどに分かれて分業化し,効率よく研究を進めるチームが多くなりました.それぞれが自分たちの得意分野で貢献し,目的に向かって効率よく研究を推進するのはとても大切で,実際,素晴らしい業績をあげています.しかし長いこと材料研究をしてきた私は,材料作製から特性測定,解析までを一貫して研究することによって,初めて見えてくるものもあるということを,経験を通して知っています.

上記の冒険には実際の航海だけでなく,丸木舟をつくる過程や道具をつくる過程でも多くの若者がかかわったそうです.若者たちのその後の人生に,その経験は色濃く残ることと思います.丸木舟型の材料研究をしている私の研究室でも,私も学生も一緒になって「自分たちでゼロから材料をつくり上げ,その材料の特性を解明し,さらに特性をより良くしようと試行錯誤することの面白さ」を存分に冒険したいと思います.

 

電情日記

文献調査について

宮田 高道

宮田です.早いもので千葉工大に着任してからもう4年になろうとしています.現在の電気電子情報工学科では研究室配属は3年生の後期から行われることになっており,私の研究室も今年の9月に新たに12名の3年生を研究室に迎えることになりました.

研究室に配属された3年生は,各々の指導教員が開講する科目「ゼミナール1」を受講することになっています.公開されているシラバスの当該科目の概要には,

配属された研究室に関連する研究分野の現状と動向を国内外の文献により把握し、課題を発掘する能力を身に付ける。これにより、研究分野に関連した基礎的・専門的知識を深め、ゼミナール2及び卒業研究のために必要な知識を習得する

と書かれています.概要のなかの「研究分野の現状と動向を国内外の文献により把握」することは,一般に文献調査とよばれています.今日は,この「文献調査」が研究をすすめるうえで非常に重要なプロセスである,ということをお話したいと思います.

工学における研究とは,現実社会の課題に対して数理的能力を活かした新規な解決策を提案する行為をさします.この「新規な解決策」のところが曲者です.フィクションの世界では,年若い主人公がそれまで全く経験のない世界に放り込まれ[i],その分野のプロが見過ごしていた(素人ならではの)柔軟かつ独創的な発想で問題を解決に導く,ということがよくあります.その影響かどうかはわかりませんが,学生の多くは,問題の独創的な解決策は「何もない白紙の状態から急にひらめく」ものだと思っていることが多いように感じます.これは大きな誤りです.

俳人の千野先生が書いたウェブ上の記事[1]を読んでください.要約すると「他人の作品は読む必要が無い.作品の着想や言葉は自分の中に既にある」などと思っている人たちの作品は,どれも不思議と似通っていて,しかも凡庸だということが書かれています.そして,これとまったく同じことが,研究についてもいえます.断言しますが,ちゃんとした研究者の書いた論文を充分な量読んでいない学生は,良い卒業論文を書くことはできません.みなさんの周りに,他人の漫画を一切読んだことのない漫画家志望の人や,過去の名作絵画を一切見たことのないという画家志望がいたらどう思いますか?

「自分は○○に興味・関心がある.まだ何も勉強していないが,自分の中には○○の歴史を変えるほどのすごいアイデアが眠っている」と思う人は[ii],研究室に配属されたらまず○○に関する先人たちの苦悩と苦闘の歴史を学び,これまでに積み重ねられてきた努力の厚みと独創的なアイデアの数々にガツンとやられてください.あるいはやられすぎて,「○○はすでに研究しつくされている.自分のやることなんてもう無い」と絶望するかもしれませんが,そこからこそ本当の勉強と研究が始まるのだと思います.

なお,すぐれた論文を読むためには(多くの場合)数学・物理,英語力が必要で,勉強した内容をまとめるためには国語力(読解力・作文力)が要求されます.それらは1~3年までのカリキュラムに含まれていたはずですが,もし積み残しがあった場合には,ゼミ1と平行してそれらを復習することになるでしょう.

基礎力を高め,優れた論文を沢山読み,そして良い研究をしましょう.自戒をこめて.


[i] このような設定は読者の主人公に対する感情移入を容易にするためにあるのでしょう.

[ii] その心意気自体は大事だと思います.発想そのものは素人的で良い.ただし解決策は玄人的でなければならない,と主張するトップ研究者もいます[2].

 

参考文献:

[1] 千野 帽子ら, “人の作品を読まない人の作品が、みんな似ている理由,” 日経ビジネスオンライン, 2012. http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20120116/226195/

[2] 金出 武雄,“独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則,”  日本経済新聞出版社, 2012. http://www.amazon.co.jp/dp/4532318416/

 

 

電情日記

新学科に向けて

水津 光司

2016年4月より新学科がスタートします。次年度の新入生は新学科での入学となります。数年間は現学科と新学科が併存した形になります。私自身も大学院生のときに改編を経験しました。大学院博士後期課程に進学した際、当時在籍していた応用物理学専攻が解体となりました。応用物理学専攻は大学院だけの組織で学部を持っておらず、在学生は大学院生のみ、学内の色々な学科や他大から入学してくる体制でした。ある意味、動かしやすい専攻だったのだと思いますが、改編にあたり同専攻に所属していた研究室は、いくつかの他の学科・専攻に分かれて配属されることになりました。私のいた研究室は航空工学科・航空宇宙工学専攻に配属されました。現在千葉工大で進んでいる改編とは異なり、既に存在する学科・専攻への配属であったので、新年度の4月1日からドラスティックに環境が変わりました。D1の私とM2の後輩たちは応用物理学専攻、M1の学生は応用物理で受験し航空宇宙工学専攻に再配属になった学生と航空で受験した学生が半々、今まで学部生の居なかった研究室に航空工学科からの卒研生が配属されました。私が応用物理学専攻の在学生としては最後の学生となり、修了予定の3年後までは応用物理学専攻が存続するとのことでした。3年間は応物としてのイベントと航空としてのイベントが並走しており、恩師をはじめとした先生方は非常にご苦労されただろうと思います。また、新しい学科を作るわけでは無く、既にある学科の中に入って、かなりカルチャーの違う組織に合せていかねばならなかったと思いますので、ご苦労もひとしおであったと思います。私自身は学生の立場だったので研究に専念しておれば良く、改編の苦労は味わいませんでした。違うカルチャーの後輩たちが研究室に入ってきて、むしろ楽しいくらいの気楽なものでした。今回の千葉工大の改編でも同様だと思います。在学生の皆さんは心配せずに、勉強・研究に励んでください。

さて、既に新学科に向けて具体的なアクションが起こっております。7月のオープンキャンパスは新学科での開催となりました。また、先日行われたAO創造入学試験は新学科での募集となりました。私の所属することになる情報通信システム工学科では、少し変わった取り組みを行いました。AO入試の場合はアドミッションポリシーに従っての実施形態となります。情報通信システム工学科では、現状での学力を問うのでは無く、入学後も講義について来ることが出来る、適応力のある人材に来て欲しいと願い、実施内容を検討いたしました。具体的な内容には触れませんが、大学での講義を念頭においた模擬講義を行い、講義内容をノートに取ってもらいました。その後、ノートを見ながら演習問題を解いてもらうことで、講義への適合性や応用力をみることに致しました。模擬講義で扱う内容は、敢えて高校では習わない課題を取り上げることで、進学校や工業高校など、特定の環境化にある受験生に有利にならないよう、かつ、事前対策ができない公平な試験とすることに致しました。流石に入試ですので、受験生たちは皆、非常に真摯に講義に耳を傾け、ノートを書き取っておりました。演習終了後に回収したノートを見るに、皆さん非常に良く書き取っており、大いに感心いたしました。また、演習課題にも高い応用力を示してくれた受験生が少なからずおりました。今回の取り組みが正解であったか否かに関しては、今後数年の取り組みを通しての結果分析や、AO入試にて入学して来た学生さん達が卒業までにどのように育つかを追跡する必要がありますが、合格者達が入学してくれることを願うと共に、入学後が非常に楽しみな結果でありました。実施に携わった一教員としては、新学科の未来に期待が持てる結果であったと思っております。今回志望してくれた受験生達や、今後志望してくれる受験生達にとって良い学科となるよう、体制を作っていきたいと思います。

 

電情日記

夢想,想像,妄想.

佐藤 宣夫

おそらく誰もが一度は考える「宇宙」について,この宇宙はどのようにして出来たのだろうか?どこまで広がっているのだろうか?最後はどうなるのだろうか?…ビックバン理論とか,インフレーション理論とか,インターネットの中の溢れている,この類の記事を見つけては読んで,自分なりに一生懸命に考えてはみるのですが,あるところで不思議とリミッタが掛かってしまい,考えることを止めてしまう.そんなことを何度も何度も繰り返しています.

とりあえず,一旦,宇宙の最初の部分を夢想することをやめて(敗北です),目の前にある物質についてはだいぶ明らかになっているようです.まず太陽などの恒星による核融合で質量数56の元素(おおよそ鉄原子)までが合成できるそうです.そして銅のほか,金や銀などは,もっと多くのエネルギーが必要のようですが,超新星爆発(爆縮?)のエネルギーで形成されるそうです.遥か太古の昔,地球もまだ形成されていない時に造られたものを,我々は利用させてもらっているのは,奇妙奇天烈摩訶不思議です.

 

 

もちろん,我々が暮らす「地球」についても,どのように形成されて,どのように生命が誕生して,そしていろんなことを経て,現在の人類の繁栄に繋がっている,そんなことにも思いを馳せます.特に生命誕生の奇跡について,パンスペルミア説とか,隕石衝突でDNA構成分子が生成されたとする説とか,太古の地球について想像してみることも,幾度と無く自分の人生の中で繰り返しています.

そんな中で,宇宙旅行の父と評されているコンスタンチン・ツィオルコフスキー氏の存在をNHKのTV番組で知りました.聴覚障害にはめげずに独学で大成された学者ですが,私がもっとも驚いたことは,いつか人類は「死ななくなる」という予言をしていることです.そんなことを真剣に考えた人が居ること,いつの間にか「死は絶対だ」と思っていた自分自身の了見の狭さを恥じる次第です.

 

 

最先端(2015年9月現在)の物理学では,完全に「無」の空間はあり得ないそうです.特異点(零と無限大が同居している),真空の相転移,ダークマター,ダークエネルギー,そして虚数時間など,言葉だけなら聞いたことがあると思いますが,とにかく,まだまだ分からないことがたくさんあって,もうしばらくは人類の存在が許されているのだと思います.

もう少しだけ,私の無責任な妄想をお許し下さい.私は,いつの日か人類が別次元へ行けるようになるのではないか,と思っています.そして,この宇宙は,始まりも終わりもなく,メビウスの輪のような構造になっており,それを高い次元から観ること/確認することが出来た時に,この問題が解決するのではないか?と思い至っております.

 

電情日記

人に読んでもらう文章を書くことの難しさ

今野将

人に読んでもらう文章を書くということは本当に難しいことです.もちろん今までも論文執筆ということで,人に読んでもらう文章は書いていましたが,対研究者向けと対一般人(例えばこの電情日記は高校生や新入生)向けでは,書き方のマナーというか使って良い語句・表現に違いがでてきます.基本的には,その対象とする読者が理解できる語句や表現を使用して書くことが必要になります.そして,これが案外難しいものです.

学生時代に恩師に言われた言葉で今でも気にかけている言葉の一つに次のようなものがあります.『専門家に対して専門的な用語を使って専門的な話をするのはそれほど難しいことではない.しかし,一般人に専門的な用語を使わずに専門的な話をするのは案外難しい.だが,それが出来て初めてその専門的な内容について理解できたといえるのではないか.だからまずは各自の家族に自分の研究について理解してもらえるように説明してみなさい.』これを聞いた時はあまりピンとこなかったのですが,いまこうして教育の場にいると,身に沁みて感じることがあります.結局のところ,相手に理解してもらうには,最初に相手を理解する必要があり,この場合の相手を理解するということは相手がどのような言葉(専門用語)を知っているかを理解する事(もしくは推定する事)です.特に一般的な読み物であるものほど,この部分が大変になってくるのではないかと思います.ですが,これを怠らずに研鑽することで,確実に自分自身の文章構成能力は上がりますし,人に対してわかりやすく話す力(コミュニケーション能力)も磨かれるようになります.そして,この能力は社会人予備軍である学生ほど必須な能力なのではないかと思います.

そこで,夏休み前から研究室のホームページで「学生部屋便り」という今野研学生版電情日記のようなものを始めました.学生には「学外の人が読んで研究室の状況がわかるような内容を(内輪ネタになりすぎず)言葉遣いも気にかけて書くように」と言ってあり,今のところ守られているように思います.ホームページ管理者ということで編集過程も見えているのですが,何回も書き直して表現を変える学生もいて一定の効果はあるかなと感じています.コミュニケーション能力に難ありと思われる人の多くは,相手の理解を超えた言葉を発することが少なくありません.しかし,リアルタイムの会話で前述のように,相手の理解できる言葉について考える作業はハードルが高いのも事実です.ですので,コミュニケーション能力を磨きたいと考えている人は,まずはじっくりと内容を推敲できる文章という形式で,読む人のことを考えて人に読ませる文章を作ってみてはどうでしょうか.

 

今野研学生部屋便りURL:http://www.ga.aais-lab.org/home/students-room

 

電情日記

日々是メール

内田 真人

こんにちは,内田です.3回目の電情日記となります.今回は,本学に赴任してからの約3年間に,私が日々こつこつと送信してきたメールのログデータを分析してみようと思います.Wikipediaにおいては,「日々の出来事を,ある程度連続的に紙などに記録したもの」を「日記」と定義しておりますので,この定義に照らせば,メール送信のログデータはまさに日々の記録「日記」であるといえるように思います.前回の電情日記では,過去に執筆された電情日記を分析した結果について書きましたが,今回は日記分析シリーズの続編(?)となります.

さて,本題です.図1は時刻毎のメール送信率を示したものです.この図を見ると,私の生活パターンが朝型であることがはっきりとわかります.研究室の学生さんとは午前中や午後の早い時間帯に研究ミーティングを行うことが多いのですが,確かにその時間帯のメール送信率は低めになっております.また,我が家には5歳と2歳の娘がいるのですが,イクメン中のメール送信率も低めです.彼女たちが成長したときに再度分析してみると生活パターンが変化しているかもしれません.

図2はドメイン名毎のメール送信率とその順位を両対数スケールで示したものです.最も大きな送信率であるit-chiba.ac.jp宛のメールの多くは電情の先生方や本学の職員さんへ送信したもので,次に大きな送信率であるs.chibakoudai.jp宛のメールの多くは研究室の学生さんへ送信したものだと思われます.また,私の研究室では研究室内のメーリングリストをGoogleグループで構築しているのですが,そのドメイン名であるgooglegroups.com宛のメールが3番目に大きな送信率となっています.これらに続いて大きな送信率となっているのは,総務省のドメイン名であるsoumu.go.jpと,前職の九州工業大学のドメイン名であるcse.kyutech.ac.jpです.あまり意識していませんでしたが,これらの組織の方々とのメール連絡がある程度頻繁に行われているようです.なお,本図より,グラフの形状が直線的であることがわかりますが,これはドメイン名毎のメール送信率が「ベキ乗則」と呼ばれる規則に従うことを意味します.ベキ乗則は前回の電情日記でも登場しましたが,本当にどこにでも観察される現象なのだと思います.

日記をつけることには自己分析の効果もあると言われますが,以上のように,そのような効果は確かに得られるようです.なお,今回の分析によって,電情日記にはとても書けないような赤裸々な事実も明らかとなったのですが,公開は差し控えさせて頂きたいと思います.最近はライフログなる言葉を良く耳にするようになりましたが,読者のみなさんも自分自身の行動を記録したログデータを分析してみてはいかがでしょうか?この程度の内容であれば,awkやsedを用いて簡単にできますので,情報系の学生さんは練習を兼ねて分析してみると良いと思います.新たな自分を発見できるかもしれませんよ?

図1:時刻毎のメール送信率

図2:ドメイン名毎のメール送信率

電情日記

ロケット燃焼実験

新井 浩志

ご存知の方も多いかと思いますが、千葉工業大学では2016年度より学科再編がおこなわれます。私は工学部に新しくできる機械電子創成工学科でメカトロニクスを中心としたモノづくりを研究・教育していく予定です。

この関係で本学惑星探査センターの和田豊先生と知り合い、6月に本学茜浜運動場で実施されたロケット燃焼実験を見学させていただきました。私にとってロケットと言えば夏にロケット花火を打ち上げるくらいの経験しかなく、どんな様子なのか楽しみに参加しました。ロケットの燃焼は日常生活では絶対体験できないようなものすごい音で、数秒のことなのですが久しぶりに工学系の技術で「感動」しました。

ただ、ロケット燃焼実験そのものだけでなく、その実験を学生が主体となって実施していることに関心しました。燃焼実験をしているのは本学のSPARK※1という団体で、電情の学生も参加しています。和田先生はほとんど口出しをせず暖かい目で様子を見るだけで、基本的には上級生が1年生3人に指導をする形で実験の準備が進んでいきます。1年生はロケット燃焼実験はほぼ初めての学生さんで、燃料(?)の配管のつなぎ方など1つ1つ悩みながら、実験の準備を進めていきます。しかもその準備マニュアルや実験遂行手順書を作っているのは上級生だそうで、とても頼もしく感じました。

大学の講義で学ぶ座学の勉強も大事ですが、座学で得た知識を生かしながらモノづくりをする実践的な力、皆で協調・協力し合いながら物事を進める力、全体を見渡してプロジェクトを進める力などが大事だと感じました。今教育の世界ではPBL(Project-Based LearningまたはProblem Based Learning)という話題があちこちで聞かれます。課題解決型学習とも言われます。従来の大学のカリキュラムにある学生実験もある意味PBLなのですが、もう少し長いスパンで学生が主体でおこなうPBL的な活動がもっと広がるべきではないかと思います。何よりもロケット燃焼実験に関わっているSPARKのみなさんが苦労しながらもプロジェクトを進め、燃焼実験が成功した時のすばらしい笑顔が印象に残りました。

写真1:燃焼実験の準備

写真2:点火!!(YouTube動画より)https://www.youtube.com/watch?v=bx6gPJza0b4

 

 

 

 

 

 

 

 

※1 千葉工業大学ロケット製作団体SPARK
http://sparkrockets.jimdo.com/
https://www.facebook.com/CIT.Rocket.SPARK

電情日記

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